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【重要事項説明と調査】「都市計画法に基づく制限」とは?規定と重説の記載方法を解説!宅建・土地取引・投資のノウハウをわかりやすく解説!!

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この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち都市計画法に基づく制限」について解説しています。

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法などの制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 「都市計画法に基づく制限」とは

対象不動産が都市計画法に定められたどの土地利用の区分に位置するか説明するとともに、都市計画施設があるのか、市街地開発事業があるのかを説明する必要があります。

そのためには、十分な調査を実施し、不動産の重要事項説明書の都市計画法に基づく制限」欄にチェックをつける項目があります。

ここでは、不動産重要事項説明書の「都市計画法に基づく制限」の内容についてわかりやすく解説していきます。

(この項目では、FRK・宅建協会・全日・全住協の重要事項説明書を念頭に説明しており、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。)

【重要事項説明の検索・索引】いざというときはここから!|重要事項の一覧表。制限の概要と調べ方など(随時追加更新) - OSSAN358’s ブログ

 

 

 

2 区域区分・地域地区など

まず対象となる不動産がどの区分に属するかを調べます。

  1. 都市計画を定める対象となる「都市計画区域」とそれ以外である「都市計画区域外」か。
  2. 都市計画区域の場合は、「市街化区域」・「市街化調整区域」・「非線引区域(区域区分のされていない区域)」の、どの区域に属しているのか。

を調べます。

区域区分などについては別途(リンク)で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

上記を調べるには、役所の都市計画の担当部署で確認しましょう。

その際は、正確に調査場所の確認を行うため、地番や字図、住宅地図など持参しましょう。

自治体によって、聞取り・都市計画証明・概要図など確認の方法は様々です。他の自治体はこうだったという説明をしても決まりはないのです。

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2-1 市街化区域

市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域(既成市街地)、または、今後10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域(エリア)です。

市街化区域・市街化調整区域の詳細については、こちらをぜひ読んでみてください。

 

2-2 市街化調整区域

市街化調整区域とは、市街化を抑える区域です。人が住むためのまちづくりを行う予定のない区域になります。

農業や緑を守ることに重点が置かれているため、開発行為の許可を得た場合等を除き、原則として一般住宅を建築することができません。

市街化調整区域内の不動産を取り扱う場合は、建物の建築が可能かどうか、建築できる建物の種類・規模などについて詳細に確認する必要があります。

市街化調整区域において、例外的に一般住宅を建築できる場合について詳しくは、コチラで説明していますので、ぜひ読んでみてください。

 

2-3 区域区分のされていない区域(非線引区域)

非線引区域とは、区域区分(市街化区域か市街化調整区域に分けること)が定められていない都市計画区域です。

 

2-4:準都市計画区域

都市計画を定めて、計画的に街づくりを進めるエリアでる都市計画区域に対して、都市計画法の対象とならないのが都市計画区域外でした。

しかし、都市計画区域外で、そのまま自由勝手に開発・建設が行われると、将来における都市としての整備・開発および保全に支障が生じる恐れがある区域を、都道府県が準都市計画区域として指定できます。

準都市計画区域では、用途地域風致地区等の土地利用の整序のために必要な都市計画を定めることができます。

 

都市計画区域外、準都市計画区域について詳しくはコチラ(リンク)で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

【重要事項説明】不動産取引で都市計画を正しくつかおう!|勘違いが多いワード。 - OSSAN358’s ブログ

【徹底解説】都市計画区域外に住むということ!?|デメリットを解説 - OSSAN358’s ブログ

 

 

 

3 都市計画施設

都市計画(都市での生活や都市機能の維持)に必要な道路・高速道路・公園及び下水道などの都市施設で、計画決定されたものを都市計画施設といいます。

都市計画施設は都市計画法第11条1項で次のものが定められています。

 

  • 道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナル等の交通施設
  • 公園、緑地、広場、墓地等の公共空地
  • 水道、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場等の供給施設または処理施設
  • 河川、運河等の水路
  • 学校、図書館等の教育文化施設
  • 病院、保育所等の医療施設または社会福祉施設
  • 市場、と畜場または火葬場
  • 団地の住宅施設
  • 団地の官公庁施設
  • 流通業務団地
  • その他政令で定める施設(電気通信事業の用に供する施設または防風、防火、防水、防雪、防砂もしくは防潮の施設)

みなさんも良く知る代表的なものは都市計画道路ですが、重要事項説明書で、都市計画道路の有無・進捗状況・名称・予定幅員を説明しなければなりません。

特に、都市計画道路の決定区域内では、建築制限があるため、十分に調査する必要があります。

詳しくはコチラ(リンク)で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

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4 市街地開発事業

人家や商店・ビルなどが立ち並んだにぎやかな市街地で、これら計画的な街づくりを具体的に実行するのが市街地開発事業です。

市街地開発事業とは都市計画法第12条1項で定められた次の事業のことを指します。

 

 

上記に該当する計画がある場合は内容を説明する必要があります。

以前に事業が終了している場合は、都市計画の効力はないので必ずしも説明の必要はありません。参考程度でよいでしょう。

詳しくはコチラ(リンク)で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

【重要事項説明】土地区画整理法(土地を整えて価値をあげよう)|制度の概要と課題!?重要事項との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!! - OSSAN358’s ブログ

【重要事項説明】都市計画法第52条の2~の4(市街地開発事業等予定区域の規制)|これから事業予定。あらかじめの制限!?建築基準法との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!! - OSSAN358’s ブログ

【重要事項説明】都市計画法第57条(土地を有償譲渡する場合の制限)|市街地再開発事業と土地の売買の関係!?市街地再開発法との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!! - OSSAN358’s ブログ

 

 

 

5 都市計画施設の重要事項説明書の記載例

5-1 都市計画施設の項目で、対象不動産の一部に都市計画道路がかかっている場合

都市計画法に基づき都市計画道路の部分における建築について知事の許可が必要です。

重要事項の記載にはなりませんが、売買契約の前に売主は、公有地の拡大の推進に関する法律による届出が必要となる場合はあります。

 

5-2 都市計画施設の項目で、対象不動産には都市計画道路がかかっていないが、近くに都市計画道路がある場合

対象不動産に都市計画道路はかかりませんが、対象不動産から南側約150mの距離に都市計画道路(◯◯線、幅員◯m)が計画決定されています。

 

5-3 都市計画施設の項目で、区分所有建物の一部に都市計画道路がかかっている場合

対象不動産の敷地の一部には、上記のとおり都市計画道路が計画決定されており、該当部分は都市計画法に基づき建築制限があります。なお、都市計画道路の事業の施行により敷地の一部が道路に供され、将来残余の敷地面積にて改装、再建築する際には現在と同規模面積の建物が建てられない場合があります。

 

このように、都市計画法第11条1項により、都市計画施設として公園や河川などがある場合は、漏れがないように気を付けましょう。

 

 

 

■まとめ

いかがでしたか?

重要事項説明の一つである『都市計画法に基づく制限』についての説明でした。

都市計画法の目的は、都市づくりの計画を立て、実現することにあります。

都市計画がない場合、みんな自分の都合だけを考え、まとまった都市になりません。

道路も狭く水道などのライフラインも未整備のままになってしまいます。

そこで、きちんと計画された都市つくるために、具体的な都市計画とそれを定めた法律が都市計画法なのです。

調査にもれがあった場合、調べたらこの地域は今後人が住まない地域じゃないか!知っていたら買わなかった! となる可能性もあります。

都市計画法に関する情報が不動産契約の意思決定を行う上で重要な要素となっています。

調査した結果、売買の対象となる不動産が都市計画法に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書に制限内容を説明する必要があります。

このような物件に関しては、物件の仲介業者は購入希望者に対して、その物件がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に担当の部署に確認し法チェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。

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