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こんかいは都市計画法第43条(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)についてです。
市街化調整区域は原則的に建築禁止ですが、都市計画法第43条に該当するものだけ許可されます。
なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。
これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。
しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。
これが重要なのです。
内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。
この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち「市街化調整区域内において建築制限が課されている理由」について解説しています。
不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法の制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 都市計画法における重要事項説明事項とは?
重要事項説明では、都市計画法における規制として宅建業法施行令第3条第1項第1号に掲げる内容を説明する必要があります。
宅建業法施行令第3条第1項第1号(都市計画法:重要事項説明)
都市計画法第29条第1項及び第2項、第35条の2第1項、第41条第2項、第42条第1項、第43条第1項、第52条第1項、第52条の2第1項(同法第57条の3第1項において準用する場合を含む。)、第52条の3第2項及び第4項(これらの規定を同法第57条の4及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第284条において準用する場合を含む。次項において同じ。)、第53条第1項、第57条第2項及び第4項、第58条第1項、第58条の2第1項及び第2項、第58条の3第1項、第65条第1項並びに第67条第1項及び第3項
建築基準法と比べると少ないですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。
調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。
くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!
対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。
2 市街化調整区域とは?
(区域区分)第七条 都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。ただし、次に掲げる都市計画区域については、区域区分を定めるものとする。一 次に掲げる土地の区域の全部又は一部を含む都市計画区域イ 首都圏整備法第二条第三項に規定する既成市街地又は同条第四項に規定する近郊整備地帯ハ 中部圏開発整備法第二条第三項に規定する都市整備区域2 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。3 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。
市街化調整区域とは、都市計画法第7条第3項に規定されています。
市街化を図る市街化区域と市街化を抑制すべき区域である市街化調整区域とを区分する区域区分、いわゆる線引きについての規定です。
つまり市街化調整区域は、「市街化を抑制すべき区域」です。そのため、市街化を進めるような開発行為や建築行為は厳しく制限されています。
市街地が拡大すれば、人口密度は薄まり、行政コストも膨らみ、民間企業としても、非効率な都市活動を展開せざるを得なくなるため、全体的に都市の魅力は低下、地価も下落することが想定されます。
これから人口減少時代に入ります。
そんな中、無秩序に、農林漁業従事者以外の人が家をまばらに建てたとします。
道路、下水、水道、電気等のインフラは必要になり行政コストが嵩みます。
ですので、市街化調整区域はしっかりと、農地や山林を保全することが大切です。
ちなみ、都市計画区域外は、都市化する恐れがなく、近傍の市街化区域へも影響を与えないと考えられており、基本的には建築制限はありません。
3 市街化調整区域の建築規制は、どこに規定されているの?
建築基準法(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)
第四十三条 何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、第二十九条第一項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して同項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物としてはならない。ただし、次に掲げる建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設については、この限りでない。一 都市計画事業の施行として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設二 非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設三 仮設建築物の新築四 第二十九条第一項第九号に掲げる開発行為その他の政令で定める開発行為が行われた土地の区域内において行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設五 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
基本的に、農林漁業従事者のための建築物(都市計画法第29条第1項二号)や公益上必要な建築物以外の建築物は、許可を受けなければなりません。
4 市街化調整区域での例外規定
過去に大規模造成団地や地区計画を定めている地域などは、例外的に一般的な住宅を建築することができるようになっています。
また、線引き前宅地(区域区分を行う以前から存している宅地)については、緩和規定がありますが、各都市ごとに若干の取り扱いの違いがあるので、各自治体(政令指定都市・中核市以外は、都道府県)に確認しましょう!
さらに、市街化調整区域内における開発許可は、都市計画法第34条、同様に、法第43条第1項に係る許可の基準は施行令第36条に規定されています。
5 まとめ
いかがでしたか?
既存集落のコミュニティを維持するには、、市街化調整区域内の空き家を適切に市場に流通させていくことも重要であることは間違いないです。
そのため、建物用途変更を容易にすることも大切かもしれません。
市街地への経済に直接的な影響を与えない範囲で、田園・山林等の自然環境保護に視点を置きながら、新たな産業等に焦点を持っていくことが大切なのかもしれません。
しかしながら都市全体の観点でバランスを保ち、都市が持続していかなければ生活自体が成り立たなくなってしまいます。
市街化調整区域の土地の売買は非常に難しいものがあります。
思い込みはやめてきちんと窓口などで内容を確認しましょう。
土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、建築物への制限についても必ず伝える義務があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に都市計画の部署に確認し法チェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。