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【重要事項説明】都市計画法第29条(開発行為の許可)|開発行為を知れば物件の課題解決が広がる!?建築基準法法との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

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こんかいは都市計画法第29条(開発行為の許可)についてです。

宅地造成等(開発行為)を行なう際に必要とされる許可に関する制度です。

なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。

これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。

しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。

これが重要なのです。

内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち都市計画法第29条(開発行為の許可)」について解説しています。

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法の制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 都市計画法における重要事項説明事項とは?

重要事項説明では、都市計画法における規制として宅建業法施行令第3条第1項第1号に掲げる内容を説明する必要があります。

宅建業法施行令第3条第1項第1号(都市計画法:重要事項説明)

都市計画法第29条第1項及び第2項、第35条の2第1項、第41条第2項、第42条第1項、第43条第1項、第52条第1項、第52条の2第1項(同法第57条の3第1項において準用する場合を含む。)、第52条の3第2項及び第4項(これらの規定を同法第57条の4及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第284条において準用する場合を含む。次項において同じ。)、第53条第1項、第57条第2項及び第4項、第58条第1項、第58条の2第1項及び第2項、第58条の3第1項、第65条第1項並びに第67条第1項及び第3項

 

建築基準法と比べると少ないですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。

調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。

くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!

対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。

 

 

 

2 都市計画法における「開発行為」とは

都市計画法第4条第12項]

この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。

*「建築物」:建築基準法第2条第一号に規定する建築物

*「建築」:建築基準法第2条第十三号に規定する建築→新築、増築、改築、移転

*「特定工作物」:「第一種特定工作物」・「第二種特定工作物」とは?(都市計画法の解説)

 

「開発行為」とは、都市計画法第4条第12項に規定されています。

開発行為に該当するかの判断は、「建築物の建築」「土地の区画形質の変更」という部分になります。

「建築物の建築」等が目的でないと、開発行為になりません。

詳細は、「開発許可制度運用指針」に、留意事項が示されています。

 

開発行為に該当しない例を示すと、

・「単なる分合筆」

・「既に建築物の敷地となっていた土地又はこれと同様な状態にあると認められる土地においては、建築物の敷地としての土地の区画を変更しない限り、原則として規制の対象とする必要はない」

・「土地の利用目的、物理的形状等からみて一体と認められる土地の区域について、その主たる利用目的が建築物に係るものでないと認められるときは、規制の対象とはならない」

などがあります。

 

ここでは、開発行為の概要についての説明ですので、「開発行為」に該当するかどうかについては、各自治体の開発許可制度を担当する部局に必ず相談してください。

 

 

 

3 開発行為の目的とは?

開発行為の目的として、次のような内容があります。

 

○公共施設の整備や防災上の措置が講じられているか等を判断する技術基準都市計画法第33条)

○立地の適正性を判断する立地基準都市計画法第34条、都市再生特別措置法第90条)

 

技術基準は全ての開発行為の区域において適用されることなります。

立地基準については、市街化調整区域や居住調整地域において適用されます。

開発許可制度は、都市をコントロールする重要な制度です。

 

 

 

4 開発行為の許可とは(都市計画法第29条)

都市計画法第29条の、「開発行為の許可が必要な規模」をまとめると次のようになります。

 

都市計画法第29条第1項:都市計画区域準都市計画区域内の開発行為

☑️市街化区域:1,000㎡以上

*東京都特別区首都圏整備法近畿圏整備法中部圏開発整備法に規定する一定の区域については、「500㎡」となる。(都市計画法施行令第19条第2項) 

☑️非線引き区域・準都市計画区域:3,000㎡以上

※なお、この二つの区域の基準については、自治体の条例化により300㎡以上までにすることが可能(緩和は不可)

 

都市計画法第29条第2項:都市計画区域準都市計画区域外の開発行為

☑️10,000㎡以上

注)開発行為の許可者は、都道府県知事(指定都市の場合はその長、中核市の場合はその長)

注)市街化調整区域内の開発行為については、原則として許可が必要

 

 

 

5 許可不要の開発行為

また、都市計画法第29条第1項では、許可が不要な開発行為を次のように定めています。

5-1面積による特例

一定面積未満であれば、計画的な都市づくりを害する危険性が少ないので、小規模な開発は特例の対象となっています。

ただし、市街化調整区域は市街化を抑制したいので、特例の適用はありません。

 

市街化区域…1,000㎡未満の開発行為

市街化調整区域…なし

準都市計画区域・非線引区域…3,000㎡未満の開発行為

上記以外…1ha未満の開発行為

 

5-2農林漁業の特例

農業等の促進の見地から認められる例外です。

ただし、大都会の真ん中で農業をされると、計画的な都市づくりを進めることができないので、市街化区域では特例の適用はありません。

 

市街化区域…なし

市街化調整区域…農林漁業の用に供する建築物の建築に伴う開発行為 例)畜舎・温室・サイロ

 

5-3 公益的建築物の特例

公益的事業は、計画的な都市づくりを妨害する危険性が小さいので、特例の適用があります。

駅舎その他の鉄道の施設

図書館、公民館、変電所

 

5-4性質上の特例

やむを得ず認められるものと、都市計画の妨げにならないため認められるものとがあります。

非常災害のために必要な応急措置として行う開発行為

通常の管理行為、軽微な行為等

 

 

 

6 立地基準(都市計画法第34条:市街化調整区域内の開発行為)

市街化調整区域内(第二種特定工作物を除く)」においては、立地基準(都市計画法第34条)が適用されます。

都道府県知事は、市街化調整区域内の開発行為については、都市計画法第34条各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ許可してはならないとされています。

この立地基準については、後々記事します。

 

 

 

7 まとめ

いかがでしたか?

開発許可は、都市計画区域または準都市計画区域内で行う建築物の建築または、特定工作物の建築の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を言います。

まずは、それぞれの行為がこの「開発行為」にあたるのかどうかを判断し、該当する場合には、都市の健全な発展と秩序ある整備に該当するように、開発行為を実施していく必要があります。

相談を受けた物件が、宅地として立地が可能か重要な分かれ目になります。

開発行為に該当し、なおかつ許可が必要となるかどうかは、開発行為を行う場所の自治体に相談が必要です。

思い込みはやめてきちんと窓口などで内容を確認しましょう。

土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、建築物への制限についても必ず伝える義務があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に都市計画の部署に確認し法チェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。