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こんかいは都市計画法第57条(土地を有償譲渡する場合の制限)についてです。
市街地再開発事業の施行区域内の土地を有償で譲渡しようとする場合の制限についてです。
なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。
これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。
しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。
これが重要なのです。
内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。
この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち「都市計画法第57条(土地を有償譲渡する場合の制限)」について解説しています。
不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法の制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 都市計画法における重要事項説明事項とは?
重要事項説明では、都市計画法における規制として宅建業法施行令第3条第1項第1号に掲げる内容を説明する必要があります。
宅建業法施行令第3条第1項第1号(都市計画法:重要事項説明)
都市計画法第29条第1項及び第2項、第35条の2第1項、第41条第2項、第42条第1項、第43条第1項、第52条第1項、第52条の2第1項(同法第57条の3第1項において準用する場合を含む。)、第52条の3第2項及び第4項(これらの規定を同法第57条の4及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第284条において準用する場合を含む。次項において同じ。)、第53条第1項、第57条第2項及び第4項、第58条第1項、第58条の2第1項及び第2項、第58条の3第1項、第65条第1項並びに第67条第1項及び第3項
建築基準法と比べると少ないですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。
調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。
くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!
対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。
2 第57条の制限と重要事項説明
都市計画法第五十七条(土地の先買い等)市街地開発事業に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示又は市街地開発事業若しくは市街化区域若しくは区域区分が定められていない都市計画区域内の都市計画施設に係る第五十五条第四項の規定による公告があつたときは、都道府県知事等(同項の規定により、次項本文の規定による届出の相手方として公告された者があるときは、その者。以下この条において同じ。)は、速やかに、国土交通省令で定める事項を公告するとともに、国土交通省令で定めるところにより、事業予定地内の土地の有償譲渡について、次項から第四項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定による公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業予定地内の土地を有償で譲り渡そうとする者(土地及びこれに定着する建築物その他の工作物を有償で譲り渡そうとする者を除く。)は、当該土地、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積つた額。以下この条において同じ。)及び当該土地を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で都道府県知事等に届け出なければならない。ただし、当該土地の全部又は一部が、文化財保護法第四十六条(同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるとき、又は第六十六条の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後における当該公告に係る都市計画事業を施行する土地に含まれるものであるときは、この限りでない。
3 前項の規定による届出があつた後三十日以内に都道府県知事等が届出をした者に対し届出に係る土地を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地について、都道府県知事等と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。
4 第二項の届出をした者は、前項の期間(その期間内に都道府県知事等が届出に係る土地を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、当該土地を譲り渡してはならない。
5 前条第四項の規定は、第三項の規定により土地を買い取つた者について準用する。
市街地開発事業等予定区域では、近い将来の事業の実行に対して障害となる恐れのある行為を厳しく制限することにしています。
市街地再開発事業の施行区域内の土地を有償で譲渡しようとする場合は、届出が必要となります。届出後30日間又は届出に係る土地を買い取らない旨の通知があるまでは、その土地を譲渡することができません。
それでは、重要事項の説明対象となっている第2項と第4項について解説していきます。
2-1 届出義務(第2項)
市街地開発事業の都市計画決定告示から10日経過後において、市街地開発事業区域内の土地等を売買する場合には、予定対価額や譲渡相手などの情報について都道府県知事等(等:指定都市長・中核市長)に届出義務があるとする規定です。
ただし、文化財保護法の適用を受ける建築物を除きます。
重説では、市街地開発事業の都市計画決定告示から10日経過後において、土地や建物を売買する場合に、その売買情報を都道府県知事等に届出を行う必要がある旨を説明しなければなりません。
ここでいう「土地建物等の有償譲渡」とは「土地の有償譲渡」または「土地と建築物等を一体とした有償譲渡」を指す。
従って、建築物のみを有償譲渡する場合には、先買い制度は適用されません。また有償譲渡とは「売却」「交換」を指します。
2-2 制限の内容
上記の届出後30日以内(期間内に都道府県知事等が届出に係る土地建物等を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、土地建物等を譲り渡してはならないとする規定です。都道府県知事は、その土地を優先的に先買いできますが、先買いするかどうかは任意で、買わないこともできます。
3.届出様式及び添付書類
代表的な例を示します。
【届出に必要な書類】
- 土地有償譲渡届出書
- 位置図(住宅地図等)
- 土地の形状が明らかな図面(切り図)
- 地積測量図(無い場合は添付不要)
- 土地・建物登記簿謄本の写し、又は登記事項要約書の写し
- 委任状(届出に関する事項を第三者に委任する場合)
4 まとめ
いかがでしたか?
市街地再開発事業の都市計画が決定される場合は、ほとんどの場合が事業の予定が見込まれています。
都市計画の手続の段階で、関係者は調査され事業について周知がされているのが通常です。
そのような状況にも関わらず区域内の土地を売買する行為は、近い将来の事業の実行に対して障害となる恐れがあります。
そのような行為の前に、事業者に土地の先買いの機会を担保するものです。
よほどの理由がない限りは売買は難しいと考えるのが普通です。
このような事業の予定がある土地に関しては、土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に都市計画の部署に確認し法チェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。