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【重要事項説明】都市計画法第65条~68条(都市計画事業の事業決定(認可)段階の制限)|都市計画で指定される地区計画の届出方法!?建築基準法との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

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こんかいは都市計画法第65条~67条(都市計画事業の事業決定(認可)段階の制限)についてです。


都市計画事業の事業認可(決定)後は、都市計画の決定後よりも、更に土地や建物に対する制
限がかかります。

なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。

これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。

しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。

これが重要なのです。

内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち都市計画法第65条~67条(都市計画事業の事業決定(認可)段階の制限)」について解説しています。

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法の制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 都市計画法における重要事項説明事項とは?

重要事項説明では、都市計画法における規制として宅建業法施行令第3条第1項第1号に掲げる内容を説明する必要があります。

宅建業法施行令第3条第1項第1号(都市計画法:重要事項説明)

都市計画法第29条第1項及び第2項、第35条の2第1項、第41条第2項、第42条第1項、第43条第1項、第52条第1項、第52条の2第1項(同法第57条の3第1項において準用する場合を含む。)、第52条の3第2項及び第4項(これらの規定を同法第57条の4及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第284条において準用する場合を含む。次項において同じ。)、第53条第1項、第57条第2項及び第4項、第58条第1項、第58条の2第1項及び第2項、第58条の3第1項、第65条第1項並びに第67条第1項及び第3項

 

建築基準法と比べると少ないですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。

調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。

くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!

対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。

 

 

 

2 都市計画の事業認可

都市計画法第59条(施行者)

都市計画事業は、市町村が都道府県知事(第一号法定受託事務として施行する場合にあつては、国土交通大臣の認可を受けて施行する。

2 都道府県は、市町村が施行することが困難又は不適当な場合その他特別な事情がある場合においては、国土交通大臣の認可を受けて、都市計画事業を施行することができる。

3 国の機関は、国土交通大臣の承認を受けて、国の利害に重大な関係を有する都市計画事業を施行することができる。

4 国の機関、都道府県及び市町村以外の者は、事業の施行に関して行政機関の免許、許可、認可等の処分を必要とする場合においてこれらの処分を受けているとき、その他特別な事情がある場合においては、都道府県知事の認可を受けて、都市計画事業を施行することができる。

5 都道府県知事は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、関係地方公共団体の長の意見をきかなければならない。

6 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項から第四項までの規定による認可又は承認をしようとする場合において、当該都市計画事業が、用排水施設その他農用地の保全若しくは利用上必要な公共の用に供する施設を廃止し、若しくは変更するものであるとき、又はこれらの施設の管理、新設若しくは改良に係る土地改良事業計画に影響を及ぼすおそれがあるものであるときは、当該都市計画事業について、当該施設を管理する者又は当該土地改良事業計画による事業を行う者の意見をきかなければならない。ただし、政令で定める軽易なものについては、この限りでない。

7 施行予定者が定められている都市計画に係る都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業は、その定められている者でなければ、施行することができない。

 

都市計画道路などの都市計画事業は、原則的に、市町村が都道府県知事の認可を受けて実施することとなっています。

ただし、市町村が施行することが困難な場合は都道府県が、国の利害に重大な関係がある場合は国の機関が、また、特別の事情がある場合は、その他の者が施行することができます。

計画決定段階から事業決定段階になると、具体に事業が始まるため、この段階で事業の対象者(関係者)や補償物件が確定し、それを扱うことに対する制限は厳しいものとなります。

参考:都市計画事業の計画決定段階の制限についてコチラを>>

ossan358.hatenablog.com

 

 

 

3 制限の内容

3-1 行為制限(都市計画法第65条)

都市計画事業認可後、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物の建築その他工作物の建設等を行おうとする者は、都道府県知事等(等:指定都市長・中核市長)の許可を受けなければならないとする規定です。

 

下記の行為は、すべて都道府県知事の許可が必要です。

  • 土地の形質の変更
  • 建築物の建築その他工作物の建設
  • 移動の容易でない(重量が5トンを超える)物件の設置・堆積

重要事項説明では、都市計画事業認可区域内において、都市計画事業の施行の障害となるような行為(建築物の建築や工作物の建設、物件の設置など)を行う場合には、都道府県知事等の許可が必要となる旨を説明しなければなりません。

 

3-2 土地の先買い(都市計画法第67条)

都市計画事業の認可告示から10日経過後において、都市計画事業区域内の土地等を売買する場合には、予定対価額や譲渡相手などの情報について施行者に届出義務があるとする規定です。

事業施行者は、その土地建物を先買いすることができます。

*ただし、文化財保護法の適用を受ける建築物を除く。

計画決定段階での先買いの対象は土地だけですが、事業決定段階での対象は土地だけでなく建物・工作物も含まれます。また、届出先および先買いの権利があるのは、都道府県知事ではなく施行者になります。

重要事項説明では、都市計画事業の都市計画決定告示から10日経過後において、土地や建物を売買する場合に、その売買情報を施行者に届出を行う必要がある旨を説明しなければなりません。

また、法第67条第1項届出後【都市計画事業区域内での届出】30日以内(期間内に施行者が届出に係る土地建物等を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、土地建物等を譲り渡してはならないとする規定もあります。

 

3-3 土地の買取請求(都市計画法第68条)

地区内の土地はいずれ買収されるので、買取の前に土地所有者は、事業施行者に対して、自分のほうから買取を請求できます。

 

 

 

4 まとめ

いかがでしたか?

都市計画の事業の決定される場合は、よほどのことがない限りその対象地は収用されることとなります。

都市計画事業認可の手続の段階で、関係者は調査され事業開始について周知がされているのが通常です。

そのような状況にも関わらず区域内の土地を売買する行為は、近い将来の事業の実行に対して障害となる恐れがあります。

そのような行為の前に、事業者に不利益にならないよう土地の先買い等の機会を担保するものです。

よほどの理由がない限りは売買は難しいと考えるのが普通です。

このような事業の予定がある土地に関しては、土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に都市計画の部署に確認し法チェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。