OSSAN358’s ブログ

OSSANの日々の雑記ブログです

【重要事項説明】東日本大震災復興特別区域法第64条第4項第、64条第5項(届出対象区域(復興整備事業の実施区域))|制度の概要と課題!?重要事項との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

このブログは、まちづくりや都市計画、不動産の取引や投資に関して役立つ情報をつぶやくOSSAN(オッサン)のブログです。良かったらブックマークを活用いただき、業務や調べものの時に活用してくれると励みになります。

東日本大震災復興特別区域法は、東日本大震災の被害から復興を図るべき区域を復興特別区域に定め、その対象区域に限定して、既存の枠組みにとらわれない各種の規制や手続き、財政、金融、税制上の特別措置を適用するための法律で2011(平成23)年に定められました。売買の対象となる不動産が、東日本大震災復興特別区域法の届出対象区域内に該当する場合には、重要事項説明が必要です。
 


なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。
これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。
しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。
これが重要なのです。
内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。
この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち東日本大震災復興特別区域法」について解説しています。
不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法などの制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 その他法令に基づく重要事項説明事項とは?

 
法令としては、宅建業法第35条第1項第2号の部分となります。

宅建業法第35条(重要事項の説明等)第1項第二号(抜粋)]
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

二 都市計画法建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

次に政令ですが、宅建業法施行令第3条となります。次の項では、この第3条について詳しく説明します。

都市計画法建築基準法制限一覧は、こちらの記事で解説しています。

ossan358.hatenablog.com

 

■ 都市計画法建築基準法以外のその他の法令に基づく制限

施行令第3条ですが、第1項が「宅地又は建物の貸借の契約以外の契約(売買)」について、第2項が「宅地の貸借の契約」について、第3項が「建物の貸借の契約」について規定されています。
大半が対象外となりますが、この内容を覚えておくことで、少しは重要事項説明漏れを防ぐことができると考えられます。
それでは、この記事ではその他の法令に基づく制限のうち東日本大震災復興特別区域法』について解説していきます。

 

 

 

2 東日本大震災復興特別区域法とは

東日本大震災復興特別区域法は、東日本大震災の被害から復興を図るべき区域を復興特別区域に定め、その対象区域に限定して、既存の枠組みにとらわれない各種の規制や手続き、財政、金融、税制上の特別措置を適用するための法律で2011(平成23)年に定められました。
復興推進計画を定めますが、具体的には、各種規制に対する特例、税制上の特例、利子補給などの金融上の特別措置、復興整備事業、復興交付金の交付等など広範囲にわたります。

その中でも、不動産に関係するものは「届出対象区域」の事項です。

被災した一定の市町村は、復興を推進するために、復興整備事業を行う区域の全部または一部の地域を、届出対象区域として指定することができます。

届出対象区域内で、土地の区画形質の変更、建築物その他の工作物の新築・改築・増築等をする際には、30日前までに被災関連市町村長に届出が必要です。

 

 

 

3 重要事項説明

3-1 東日本大震災復興特別区域法第64条(届出対象区域内における建築等の届出等)

東日本大震災復興特別区域法第64条(届出対象区域内における建築等の届出等)・・・抜粋】
被災関連市町村は、計画区域のうち、復興整備事業の実施区域の全部又は一部の区域を、届出対象区域として指定することができる。
2〜3 (略)
4 届出対象区域内において、土地の区画形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築又は増築その他政令で定める行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他内閣府令で定める事項を被災関連市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 国又は地方公共団体が行う行為
四 復興整備事業の施行として行う行為

前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち内閣府令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を特定被災市町村長に届け出なければならない。

 

政令
一 次に掲げる土地の区画形質の変更
・次号に規定する建築物その他の工作物の新築、改築、増築又は移転の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更
・既存の建築物その他の工作物の管理のために必要な土地の区画形質の変更
・農林漁業を営む者のために行う土地の区画形質の変更
二 階数が2以下で、かつ、地階を有しない木造の建築物その他の容易に移転し、又は除却することができる建築物その他の工作物の新築、改築、増築又は移転
三 前号に規定する建築物その他の工作物の用途の変更
四 前三号に掲げるもののほか、法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 国又は地方公共団体が行う行為
四 復興整備事業の施行として行う行為

 

重要事項説明の対象となる条項としては、東日本大震災復興特別区域法第64条第4項・第5項に該当するかどうかです。基本的には法第64条第1項の区域として市町村が指定を行っているかどうかが確認のポイントになります。
 

東日本大震災復興特別区域法の対象区域)

被災関連市町村: 「特定被災地方公共団体」及び「特定被災区域」 : 防災情報のページ - 内閣府

計画区域:復興整備計画の区域 復興庁 | 復興整備計画等(被災関連市町村等公表情報)について


 東北沿岸部の都市は、被災関連市町村とされており、当該市町村が震災からの復興を図るため復興整備計画を作成し、その計画に基づく復興事業の実施区域のうち、市町村が指定した区域について届出を課すことができるとする規定です。

重要事項説明の対象となるかどうかは、被災関連市町村が東日本大震災復興特別区域法第64条第1項に基づき、区域指定を行なっているかどうかが大切です。
その上で、第4項に関する説明を行うようにしてみると良いと思います。

 

3-2 東日本大震災復興特別区域法第64条第5項

東日本大震災復興特別区域法第64条第5項】
5 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち内閣府令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を被災関連市町村長に届け出なければならない。


第5項の規定については、届出を行なった場合において変更する場合に、変更に関する行為に着手する30日前までに被災関連市町村長に届出を行なってくださいとするものです。
重要事項説明においては、届出を行なっている土地や建築物、工作物の取引において変更する場合に生じるものです。

 

 

■まとめ

いかがでしたか?
重要事項説明の一つである『東日本大震災復興特別区域法』についての説明でした。
重要事項説明において必要となる東日本大震災復興特別区域法第64条第4項及び第5項について説明しました。
売買等を行う宅地または建築物が東日本大震災復興特別区域法第64条第1項の届出対象区域として指定されているかが重要です。
指定されているかどうかは、市町村のホームページで確認しましょう。
調査した結果、売買の対象となる不動産が、東日本大震災復興特別区域法の届出対象区域内に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「東日本大震災復興特別区域法」の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要があります。

このような物件に関しては、物件の仲介業者は購入希望者に対して、その物件がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に担当の部署に確認し法チェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。