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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
買主が物件を探している段階で、「この不動産にはどのような建物が建てられるのか?」と考えるからです。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の内容を説明するには「市街化調整区域における建築許可」について理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 市街化調整区域内の建築許可とは
市街化調整区域における建築許可は、原則的に建築禁止ですが、都市計画法第43条に該当するものだけ許可されます。
土地は、①開発許可を受けた土地と、②昔からある土地とに大きく2つにわかれます。
①開発許可を受けた土地とは、山林や田畑などの土地を住宅用の土地にするための宅地工事を行った土地のことです。この開発行為は、都道府県知事の許可(開発許可)が必要になります。
②昔からある土地は、建築確認制度によって制限されます。しかし、市街化調整区域の場合は、そもそも原則として建物の建築は許されていません。そのため、不動産調査において、重要なのは、その不動産が市街化区域か市街化調整区域のどちらにあるかです。
しかし、例外的に都市計画法第43条(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)に該当するものは建築許可されます。
2 都道府県知事の許可が不要な場合
都道府県知事の許可が不要な場合は、次のとおりです。
- 都市計画法第43条1項で引用する都市計画法第29条1項2号:農林漁業用の建物および従事者住宅
- 都市計画法第43条1項で引用する都市計画法第29条1項3号:駅舎・公民館などの公共用建物
- 都市計画法第43条1項1号:都市計画事業施行による建築物・第1種特定工作物(コンクリートやアスファルトプラントなどの周辺環境の悪化をもたらすおそれがある工作物)
- 都市計画法第43条1項2号:非常災害ための必要な応急措置としての建築物・第1種特定工作物
- 都市計画法第43条1項3号:仮設建築物
- 都市計画法第43条1項4号:都市計画法第29条により許可が不要な開発区域内での建築物・第1種特定工作物
- 都市計画法第43条1項5号:通常の管理行為、軽易な行為
- 車庫、物置等の附属建物の建築
- 10㎡以内の増築および改築
- 周辺居住者の日常店舗等で、延床面積が50㎡以内の自己用建物
- 土木工事等で一時的に使用する第1種特定工作物
- 都市計画法第43条3項:国・都道府県が行う建築物・第1種特定工作物については、知事との協議成立をもって許可とみなす
- 線引き前から建っていた建物の建替え(一定の条件有り)
なお、都市計画法による制限に加えて、市町村の条例で制限を行うことがあるので、調査の際には市町村の役所で確認します。
ちなみに、土地が農地の場合で、宅地へ転用するためには農地転用許可が必要です。この場合、農地法による規制を受けます。
3 都道府県知事の許可が必要な場合
都道府県知事の許可が不要な場合を除いては許可が必要であり、許可の条件は都市計画法施行令36条に定められています。基本的に開発行為の許可基準と同じです。
- 基本的に、市街化調整区域内の開発行為の許可基準(都市計画法第34条1号〜14号)と同様のもの
- 地区計画・集落地区計画の区域内にある場合は、地区計画に適合しているもの
- 排水施設・擁壁・地盤の状態が、一定の基準を満たしているもの
■まとめ
いかがでしたか?
不動産調査の基礎となる「市街化調整区域における建築許可」についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。