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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の税金で「建物の消費税がわからない場合の標準建築価額」の計算について理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の税金において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
建物部分をいくらで購入したのか取得費を計算しようと思い、購入した時の不動産売買契約書・領収書を見たが、土地・建物の価格が明記されていません。建物部分の消費税の額がわかれば計算できますが、それも不明です。
このような場合は「標準建築価額」によって取得価額の計算を行うことができます。
1 標準建築価額による取得価額の計算
標準建築価額による取得価額の計算方法は、土地と建物を一緒に取得し、契約の時に「土地部分○○万円、建物部分〇〇万円」というような価額の区分がない場合、価額区分の一つの方法として、建物の取得価額を算定するために使用します。
契約書等によりそれぞれの価額が区分して記載されている場合や、建物の消費税額がわかっていて建物価額が算出できる場合は、これを取得価額とします。
つまり、建物の消費税額がわからない時に使う計算方法になります。
計算方法は次の通りです。
①:対象となる建物の築年数を調べる
築年数がわかる建築年月日や建物の構造は、建物の全部事項証明書(登記簿謄本)で確認します。
②:建物の取得価額を算出
建物の取得価額 = 建物の標準的な建築価額表に該当する単価(※) × 床面積(延べ床面積㎡)
※建物の標準的な建築価額表(単位:千円/㎡)については、「建築統計年報(国土交通省)」の「構造別:建築物の数、床面積の合計、工事予定額」表の1㎡当たりの工事費予定額から調べます。
あなたが新築の不動産を購入し、住んでいた場合は以上の計算方法で取得費を計算することが可能です。
中古不動産を購入した方は、その建物が新築から取得した日までの価値を引かなければなりません。建物は永久不滅のものではなく時間と共に劣化していきます。これを減価償却と言い、建物部分は減価償却費を引くことができます。
土地については永久に劣化しないため、減価償却しません。
そのため、中古建物の場合、その建物の建築時から取得時までの経過年数に応じた減価償却費相当額を控除した残額を取得価額とすることが必要です。
中古建物の取得価額 = 建物の取得価額 − 取得した年までの減価償却費
実際に例題で計算してみます。
【例題】
平成3年2月に新築のマンション(鉄骨鉄筋コンクリート造・専有面積70㎡)を5,000万円で購入し、平成28年1月に売却しました。購入した時の契約書を見ても、土地と建物の価格が書かれていません。土地と建物の取得費は?
①:購入金額を土地と建物の金額に区分
「建物の標準的な建築価額表」を用いて建物の取得価格を計算します。マンションの購入価額から計算した建物の価額を差し引いた金額が土地の取得価額となります。
「建物の標準的な建築価額表」より平成3年の鉄筋コンクリート造は1㎡あたり329,800円
購入時の建物の取得価額=329,800円×70㎡=23,086,000円
購入時の土地の取得価額=5,000万円−23,086,000円=26,914,000円
②:建物について減価償却費を計算
建物は時間が経つため、劣化分を加味して、売却時点での価値を求める必要があります。売却時点での価値とは、建物の取得価額から減価償却費を差し引いた金額となります。
経過年数は平成3年2月〜平成28年1月で24年11ヶ月。経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。5捨6入なので25年です。
減価償却費=23,086,000円×0.9×0.015×25年=7,791,525円
売却時の建物の取得費=23,086,000円−7,791,525円=15,294,475円
③:譲渡所得の計算の基礎となる取得費の金額
(土地)26,914,000円+(建物)15,294,475円=42,208,475円になります。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産の税金の基礎となる「建物の消費税がわからない場合の標準建築価額の計算方法」についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。