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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
相続が発生した場合、亡くなった人(被相続人)の財産の名義を、相続する人の名義に変える手続きが必要になるからです。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の登記で「相続登記」について理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 相続登記とは
相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する不動産登記の1つです。
不動産登記とはその不動産がどんなものなのか、どこの誰が所有しているかを記録しているもので、その不動産で誰がどんなことをしたのか記録したものになります。それら登記の記録がまとめられた台帳が「登記簿」です。
登記簿の構成としては、大きく表題部と権利部の2種類に分かれます。最初に表題部があり、権利部が続きます。権利部は、さらに甲区(こうく)、乙区(おつく)に分かれ、全体で3つの部分から構成されます。
表題部と権利部(甲区と乙区)
相続登記は、権利部の甲区に記載されることになります。
相続登記は、正確には相続を原因とする所有権移転登記です。
権利部には、権利に関する登記を記録し、不動産の権利関係を示しています。
甲区は、所有権に関する登記、および所有権に影響を与える登記を記録し、具体的には、所有者の住所・氏名・登記の目的・取得年月日と取得原因を記録されます。
相続は被相続人(亡くなった人)の死亡によって開始し、遺言がない場合、まず法定相続分による共有の相続登記を行い、続いて、遺産分割協議の結果にもとづき、該当する不動産を相続人の単独名義にするための共有分移転登記を行うことが適当です。
(法定相続分による相続登記の例)
通常の相続では、同じ遺産分割でも、法定相続分による登記を経由することなく、一挙に遺産分割協議にもとづく登記をします。なお、この場合の原因は遺産分割ではなく相続です。
相続登記(所有権移転登記)は特に期限も罰則もありません。
売却するときには所有者であること示すため、一般的に「対抗力」を持つために登記します。
相続登記は、司法書士に依頼して行うのが一般的です。相続登記には、登録免許税と司法書士の報酬がかかります。
その他戸籍の収集や相関図、遺産分割協議書作成にも費用が必要となります。
2 相続登記を自分で行う方法
相続登記は、司法書士に依頼して行うのが一般的ですが、自分で行うことも可能です。
2-1 相続登記に必要な書類
①住所証明書
住所証明書とは、建物の所有者になる人全員の住民票の写しになります。全てのページ分必要です。
②登記原因証明情報
登記を行うことになったのかという登記の原因となる証明書になります。相続方法によって登記原因証明情報となる書類が変わります。
A.「遺産分割協議書」の場合
- 被相続人(亡くなった人)の出生頃から死亡に至るまでの戸籍謄本、除籍謄本または原戸籍
- 被相続人の戸籍の附票または本籍の記載のある住民票の除票の写し(※登記記録と死亡時の住所のつながりが住民票の除籍の記載から判明しない場合は、住民票の除票ではなく、戸籍の附票の写しが必要です。)
- 相続人(相続する人)全員の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍の附票または本籍の記載のある住民票の写し
- 申請人以外の相続人の印鑑証明書
戸籍謄本、除籍謄本または原戸籍は、他に相続人がいないことを証明するもので、本籍をおく市区町村の役所で取得できます。戸籍の附票または本籍の記載のある住民票の除票の写しは、被相続人の死亡時の住所を証明するものです。
戸籍の附票とは、今まで住んできた住所の場所を一覧にしたもので、本籍をおく市区町村で手に入れることができます。
B.「遺言書」の場合
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍または除籍謄本
- 相続人の戸籍謄本
戸籍謄本・除籍謄本は、本籍をおく市区町村で手に入れることができます。
公正証書遺言の場合、遺言書はそのまま使えますが、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認してもらう必要があります。
C.「法定相続分」の場合
- 被相続人(亡くなった人)の出生頃から死亡に至るまでの戸籍謄本、除籍謄本または原戸籍
- 被相続人の戸籍の附票または本籍の記載のある住民票の除票の写し(※登記記録と死亡時の住所のつながりが住民票の除籍の記載から判明しない場合は、住民票の除票ではなく、戸籍の附票の写しが必要です。)
- 相続人(相続する人)全員の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍の附票または本籍の記載のある住民票の写し
上記A〜Cに共通で、相続関係説明図(相関図)が必要です。
相続関係説明図(相関図)は、故人と相続人たちの関係を載せた説明図のことす。相続関係説明図に出てきた人物はすべて名前だけでなく、住所も必要です。
③固定資産税評価証明書
市区町村で取得することができ、相続する不動産の課税価格が記載されています。固定資産価格通知書でも代用可能です。
④相続登記の申請書
公正証書遺言・自筆証書遺言・法定相続・遺産分割・数次相続とどのような方法で相続するかによって書式が異なります。
申請書は記載例通りに必要事項を記入しましょう。
申請書にある「課税価格(課税標準価格)」とは、固定資産課税台帳に登録される「不動産の価格」のことです。
所有権移転登記の場合は、固定資産台帳に登録されている価格(固定資産税評価額)になります。
課税価格と床面積を乗じて計算し、求めます。この金額を元に「登録免許税」を計算します。
⑤代理権限証明書(委任状)
代理人に申請に行ってもらうことも可能です。
2-2 申請方法
法務局に登記相談窓口が設置されている場合もあります。
登記するには平日の午前8時30分から午後5時15分までに、その不動産の所在地を管轄している法務局に行き提出します。
郵送の場合は、申請書を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便により送付します。
完了した際「登記完了証」と「登記識別情報」が登記所から発行され送られてきます。
ただし、提出書類に不備がある場合は、電話連絡があり補正が必要となりますので、直接法務局に行き書類を点検してもらう方が良いでしょう。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産登記の基礎となる「相続登記」についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。