このブログは、まちづくりや都市計画、不動産の取引や投資に関して役立つ情報をつぶやくOSSAN(オッサン)のブログです。良かったらブックマークを活用いただき、業務や調べものの時に活用してくれると励みになります。
不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の税金で「副業で投資用不動産を賃貸しているとき」について理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の税金において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
あなたが不動産を賃貸している場合、その賃貸の収入は不動産所得として所得税の課税対象となります。
その年の所得税額は、不動産所得が給与所得など他の所得に合算され所得税のほか、住民税もかかります。
- 1 動産所得の計算方法
- 2 賃貸収入があるサラリーマンは確定申告が必要?
- 3 不動産所得を併せた所得税の計算方法
- 4 住民税の計算について
- 5 投資用不動産を購入した年における必要経費と取得価額の分け方
- ■まとめ
1 動産所得の計算方法
不動産所得の計算方法は以下の通りです。
◇不動産所得の計算方法
不動産所得 = ①収入金額 − ②必要経費
①収入金額とは
不動産所得の収入金額とは、賃貸借契約などにより、その年の1月1日から12月31日までの間に収入すべき金額として確定した家賃・地代・権利金などの金額のことです。
◇収入金額になるもの
- 家賃・地代
- 権利金
- 更新料・名義書換料・承諾料
- 礼金
- 共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など
- 敷金・保証金のうち、返還を要しないもの(退去時に返還する分は収入金額に含まれない)
②必要経費とは
不動産賃貸に伴って発生した事実上の支出のうち一定のものは、必要経費として収入金額から差し引くことが可能です。
◇必要経費として認められるもの
- 土地・建物に係る固定資産税・都市計画税
- 事業税
- 消費税(税込経理による場合に限る)
- 収入印紙代
- 修繕費(資本的支出に該当するものを除く)
- 損害保険料(掛け捨てのもので、その年分のみ)
- 不動産会社への管理手数料
- 管理組合への管理費
- 入居者募集のための広告宣伝費
- 税理士・弁護士への報酬で不動産賃貸にかかるもの
- 減価償却費
- 立退料
- 共用部分の水道光熱費
- 土地の購入・建物の建築の借入金金利(事業開始後に支払った部分)
- その他雑費(掃除、消耗品代等)
◇必要経費として認められないもの
- 借入金の元本返済部分
- 事業に関連しない支出(自宅に係る経費等)
- 所得税
- 住民税
詳しくは国税庁のHPを参照しましょう。
2 賃貸収入があるサラリーマンは確定申告が必要?
給与所得者は他に収入がなければ、年末調整によってその年の税額は確定します。しかし、不動産賃貸の所得については会社では対応してくれません。
会社は従業員に毎月給料を支払う際に、その給料に見合う所得税を源泉徴収して代わりに税務署に納付しています。会社が行う年末調整とは、会社があなたに支払っている給料が、あなたの収入の全てであると考え、年間に納めるべき所得税を計算しています。そして、その年の最後の給料を支払う際に、源泉徴収しすぎた所得税については還付し、または源泉徴収不足だった所得税については不足分を徴収する形で調整します。
給料のほかに不動産賃貸の所得などがあっても、会社で年末調整することはありません。
そのため給料以外に不動産賃貸の所得が20万円以上ある人は別途自分で確定申告が必要です。不動産所得も給与所得と併せて確定申告をすることによって、はじめてその年の所得と所得税額が確定します。
詳しく知りたい方はこちらを参照してください。
3 不動産所得を併せた所得税の計算方法
不動産を賃貸していて不動産所得がある場合、その所得は所得税の対象となります。その年の所得税額は、不動産所得と他の所得(給与所得等)を合算して算出しなければなりません。
A 税額計算
◇計算方法
所得税額 = {総所得金額(不動産所得 + 給与所得等その他の所得金額)−各種所得控除額}× 税率 − 控除額 − 各種税額控除[住宅ローン控除・配当控除等] − 源泉徴収税額
給与所得は、「給与所得の源泉徴収票」において「給与所得控除後の金額」のことを指しています。
また、所得控除額とは、配偶者控除や扶養控除のことで「給与所得の源泉徴収票」の「所得控除の額の合計額」で確認できます。
税率と控除額については下記の通りです。
■所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% ー
330万円以下 10% 9.75万円
695万円以下 20% 42.75万円
900万円以下 23% 63.60万円
1,800万円以下 33% 153.60万円
4,000万円以下 40% 279.60万円
4,000万円超 45% 479.60万円
平成49年12月31日までの間、復興特別所得税が2.1%上乗せされます。
B 確定申告と納税方法
確定申告期間 :その年の翌年2/16〜3/15までの間
納税の期限 : 3/15まで
確定申告書の提出先 :住所地を管轄している税務署
確定申告期限である3月15日までに「振替納税依頼書」を提出した場合、指定の金融機関からの口座振替により納税することができ、4月中旬に口座から引き落とされます。
4 住民税の計算について
住民税は所得税の確定申告書を税務署に提出すると、自動的に市町村に住民税の申告を提出したことになりますので、自分で住民税の申告をする必要はありません。
住民税の納付の方法は特別徴収(給料から源泉徴収される方法)と普通徴収(納付書で自分で納付する方法)の2つの方法があります。
普通徴収の場合は、一括で納税することも可能ですが、年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納税することも可能です。給与所得以外の所得に対する住民税については、普通徴収により納付することが選択できます。
5 投資用不動産を購入した年における必要経費と取得価額の分け方
賃貸物件を購入した際、本体価格以外に様々な支出があります。
その支出はその年度での必要経費としてよいものと、不動産の取得価額に含めるべきものがあります。購入のときに支払う仲介手数料など土地と建物の両方に係る支出はそれぞれに配分します。
そのうち建物の取得価額に含めるべき支出については、減価償却により毎年の経費となります。
◇必要経費としてよいもの
- 不動産取得税
- 登録免許税・登記費用
- 収入印紙代
- 建築完成披露のための支出など
◇取得価額に含めるべきもの
【土地】
- 土地の購入金額
- 土地上の取り壊した建物代金及び取り壊し費用
- 整地・埋め立て・地盛り・下水道・よう壁工事費等
【建物】
- 建物の建築費又は購入代金(工事代金・設計料・建築確認申請料など)
- 設計変更費用
- 増改築リフォーム費用
【土地・建物に配分】
【建物付属設備】
- エアコン、給湯設備等の建物付属設備など
■まとめ
いかがでしたか?
不動産の税金の基礎となる「副業で投資用不動産を賃貸しているとき」についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。