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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の税金で「所得税が還ってくる住宅ローン控除」について理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の税金において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
住宅ローン控除は、あなたが住宅ローンを利用するのであれば必ず知っておくべき制度です。
不動産を現金で買えるにもかかわらず、あえて住宅ローンを利用して不動産を買う方も少なくありません。
1 住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて居住用の不動産を購入した場合、年末のローンの残高に応じて所得税や住民税が控除される制度です。
住宅ローン控除を受けるには条件があります。
1-1 住宅ローン控除を受けるためには
給与所得者・自営業者を問わず、住宅ローン控除を受けたい人は、不動産を取得した翌年3月15日までに確定申告をする必要があります。
申告書には土地・建物の全部事項証明書や住宅ローンの年末残高証明書などの必要書類を添付して申告します。
給与取得者は、2年目以降の年末調整の際に控除を受けることができます。
自営業者は、毎年の確定申告の際に他の所得税控除や税額控除をあわせて申告する必要があります。
年末残高証明書の発行は、借りた金融機関によって異なりますが、年末から翌年明けに郵送されます。
そのうえで、住宅ローン控除の適用条件は以下の通りです。
◇対象となるローン
- 住宅とその敷地の取得のための借入金であること
- 返済期間10年以上の借入金であること
- 下記の借入金融機関等からの借入であること
◇控除額
年末ローン残高 × 控除率 = 控除額
控除を受けることができる住宅の種類
①一般の住宅
②認定長期優良住宅
③認定低炭素住宅
①~③で控除の額等が異なるため詳細は、国税庁のHPで確認しましょう。
◇住宅の要件
- 床面積(登記簿面積)50㎡以上、また50%以上は居住用であること
- マンション等耐火建築物は25年以内、木造等耐火建築物以外は20年以内に建築されたものであること。この年数を超えている場合は、その住宅が(イ)新耐震基準に適合していることについて証明されたものや、(ロ)既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のもの、(ハ)耐震基準に適合しない既存住宅を取得した場合に、その取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、居住の日までに耐震改修工事を完了している等一定のものであること
◇入居時期
取得後6ヶ月以内に入居し、入居後も引き続き住んでいること
◇適用期限
令和5年6月30日までの入居に限る
◇その年の所得合計
3,000万円以下(給与の場合3,245万円以下)
◇その他の特例との関係
その年の前後各2年間、合計5年間に前の自宅で3,000万円特別控除や特定居住用財産の買換え特例を使っている場合は適用できません。
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは併用可能です。この場合、譲渡の年と翌年3年間は譲渡損失の繰越控除を優先し、適用期間の残りの年に住宅ローン控除を適用することになります。
【例題】
平成28年1月にマイホームのマンションを購入し、夫婦連帯債務で3,000万円の住宅ローンを組んだ(夫負担分3/5、妻負担分2/5)。マンションの売買価格は4,000万円で、自己資金として1,000万円出した。今年の年末の住宅ローン残高は2,900万だった場合の住宅ローン控除の限度額はいくらだろうか。
一般住宅の場合なので
夫:(2,900万円×3/5)×1%=174,000円
妻:(2,900万円×2/5)×1%=116,000円
29万円ということになります。
2 住民税からの控除
平成28年分以後にローン控除の適用を受ける人のうち、その年分のローン控除額からその年分の所得税額を控除して残額がある場合は、翌年度分の住民税を次のとおり減額することができます。
◇控除限度額
所得税の課税総所得金額等×7%(最高13.65万円)
上記の金額は売主が不動産業者の場合(新築住宅もしくは買取再販の中古住宅)であり、売主が個人の中古住宅(個人間売買による中古住宅)の控除限度額は、所得税の課税総所得金額等×5%(最高9.75万円)です。
では、実際に計算してみましょう。
【例題】
平成28年に3,000万円のマンションを、2,500万円(年末ローン残高2,400万円)の住宅ローンを借りて購入した。平成28年分の源泉徴収票の記載内容として支払金額を500万円、課税総所得金額を300万円、源泉徴収税額を20万円とする場合、住民税の控除額はいくらになるだろうか。
(所得税)
ローン控除額は2,400万円×1%=24万円
(住民税)
住民税の控除限度額は300万円×7%=21万円で最高13.65万円を超えるので13.65万円
つまり、4万円が住民税から控除されることになります。
なお、住宅ローン控除は10年間で最大400万円ということであり、400万円まるまる返ってくることはほとんどありません。住宅ローンを毎月返していくと10年後の残高も減っています。
また、控除制度の内容は毎年見直されています。逐次、国税庁のHPで最新の情報を確認しましょう。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産の税金の基礎となる「所得税が還ってくる住宅ローン控除」についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。