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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
買主が物件を探している段階で、「この不動産にはどのような建物が建てられるのか?」と考えるからです。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
建築計画において「火災警報器の設置」について理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
火災警報器の設置は、新築・中古の不動産に関わらず、設置が義務付けられています。
重要事項説明書の「その他重要な事項」という項目にも、下記のような「火災警報器」に関する文章があります。
消防法および各地方公共団体の定める火災予防条例等により、すべての住宅に住宅用防災機器(火災警報器)の設置およびその維持が義務付けられています。なお、本物件には住宅用防災機器が設置されていますが、維持管理については買主の費用負担となることを、あらかじめご承知おき下さい。
もしくは
消防法および各地方公共団体の定める火災予防条例等により、すべての住宅に住宅用防災機器(火災警報器)の設置およびその維持が義務付けられています。なお、本物件には住宅用防災機器が設置されていません。設置については買主の費用負担となることを、あらかじめご承知おき下さい。
この文面を見ると、買主の方は「え?どういうこと?」という疑問を持ちます。不動産営業マンや宅地建物取引士もよくわかっていないことがあり、曖昧な回答をしているのが多いようです。
1 火災警報器(住宅用防災機器)とは
火災警報器は、火災の発生を音や光で知らせてくれる機器です。天井や壁に設置し、火災のときに警報音を出したり、音声が流れたりすることで、いつでも気づくような機器となっています。耳が不自由な人のために、振動や光で知らせる機種もあります。
火災警報器は改正消防法で、2006年から全ての新築住宅への設置が義務付けられました。既存住宅(中古住宅)は猶予期間を経て、2011年以降は全市町村で義務になっています。
設置が必須なのは寝室や階段で、さらに自治体の条例によって条例で台所や居間などへの設置を義務付けています。
住宅火災では毎年約1,000人が死亡しており、その理由の多くが逃げ遅れです。犠牲者の7割が65歳以上の高齢者となっています。
火災警報機は火災の早期発見、消火及び避難につながり、命や財産を守るのに有効です。
2 設置・届出・罰則について
新築や改築するときは建築確認申請の折に設置内容の記載が必要です。既存住宅(中古住宅)については設置の届出の必要はありません。
また、熱や煙を自動感知して信号を送り警報ベルなどで建物全体に知らせる「自動火災報知設備(自火報)」や、散水装置などのスプリンクラーがある共同住宅(マンション)の部屋は、住宅用火災警報器の設置が免除されています。
ただし、共用部分の廊下のみに設置されている場合や、高層階などの一部の住宅のみに設置されている場合は、自動火災報知設備等が設置されていない住宅部分に住宅用火災警報器の設置が必要です。
住宅用火災警報器の全国の設置率は、罰則がないこともあり未設置の場合もあります。不動産売買のときに、自治体の条例通りの箇所に設置されているかどうかの確認が必要です。
3 どこで買える?いくらぐらい?
火災警報器は、ホームセンターや家電量販店、インターネットでも購入することができます。火災の発生を初期段階で検出できる「煙式」の設置が、すべての設置場所において基本です。「熱式」は、台所など火災以外の煙で警報を発する恐れがある場合に設置します。
1個3,000円前後が目安となっています。
新築などで設置義務付けが始まって10年経ち、交換時期に差しかかっているケースも多くあります。
中古の場合には、本体の点検用のボタンやひもを操作し、動作確認してください。反応がないなら電池切れや故障の可能性が大きいです。
4 概要の整理
- 新築・中古の不動産に関わらず設置が義務付け。
- 寝室と階段以外は、各自治体によって設置箇所が異なる。
- 中古不動産の場合、設置するときに届出する必要はない。
- 多くの中古マンションは設置する必要はない。(維持・管理は必要。)
- 設置しなくても罰則規定はない。
- 不明な点はメーカーの窓口や日本火災報知機工業会、近くの消防署に相談を。
■まとめ
いかがでしたか?
建築計画における「火災警報器の設置」の注意点についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。