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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の税金で「共有名義・共有持分」ついて理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の税金において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
あなたが1人ではなく夫婦で、もしくは両親と一緒に不動産の購入をした場合、その物件の所有についてはあなたと一緒に買った人と共有名義になり、出した金額によって、その所有分の比率(共有持分)を持ちます。
不動産の場合、売買代金以外にもいろいろとお金がかかりますが、いったいどこまで出した金額を持分に含めることができるのでしょうか。
ここでは不動産の共有名義・共有持分の決め方についてわかりやすく解説します。
1 共有名義・共有持分の決め方
不動産を購入するために出したお金の金額によって持分割合というのが決まります。
例)
物件:4,000万円
あなたが3,000万円
お父さんが1,000万円
この場合、あなたの持分は3/4、お父さんの持分は1/4
持分とはその不動産の所有している割合を示しています。この所有権の持分は、不動産登記の際に法務局に登録されます。
(共有持分の登記の例)
不動産を登記する理由は、自分の所有物と証明するためのものでり、登記の際には、資金の出所と持分の関係を慎重に確認する必要があります。
そのため、次のような誤った登記には注意が必要です。
- お金を出した人と所有者が異なる
- 借金の当事者と所有者が異なる
- お金の出所を無視して、単純に夫婦2分の1ずつの持分にする など
このような場合、実際に資金を出した人から、資金を出さないのに不動産を所有することになった人への贈与とされ、贈与された人に贈与税が課税される可能性があります。
不動産の「持分」は、購入資金を誰がいくら出したのかによって決めなければなりません。
◇不動産持分の決め方(登記の割合)
その人の持分割合 = 出した資金(借入金含む) / 不動産の購入代金(取得費)
不動産の購入代金というのは、どこまでの費用を含めることができるのでしょうか。
以下のようになります。
■取得費となるもの
◇土地
- 購入代金
- 仲介手数料
- 不動産取得税
- 登記費用(登録免許税)
- 売買契約書印紙代
- ローン保証事務手数料
- 抵当権設定の登記費用(登録免許税)
- 固定資産税・都市計画税の精算金
- 古屋の取り壊し費用
- 整地・下水道・擁壁(ようへき)工事費用等
- 借入金金利(借入日から使用開始までの期間の利息)
◇建物
- 建築費または購入代金
- 仲介手数料
- 不動産取得税
- 登記費用(登録免許税)
- 売買契約書・建築請負契約書の印紙代
- ローン保証事務手数料
- 抵当権設定の登記費用(登録免許税)
- 固定資産税・都市計画税の精算金
- 設計変更費用
- 増改築リフォーム費用
- エアコン・給湯設備等で建物に付属する設備
- 借入金金利(借入日から使用開始までの期間の利息)
◇取得費にならないもの
※居住用ではなく事業用不動産の場合は、土地・建物の取得にかかる不動産取得税・登記費用(登録免許税)は必要経費として処理します。また、既に他の不動産所得がある場合については、土地・建物の借入金金利のうち借入日から使用開始までの期間分についても、必要経費として処理できます。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産の税金の基礎となる「共有名義・共有持分」についての説明でした。
まとめると次のようになります。
・「持分」とは、その不動産の名義を誰がどのくらい所有しているかの割合のこと。
・共有名義とは、その不動産の「持分」を持っている人のこと。
・共有持分とは、共有名義人が持っている「持分」のこと。
・「持分」は不動産の購入資金を、誰がいくら出したのかによって決まる。
・その購入資金(取得費)に含めることができる費用とできない費用がある。
・実際に資金を出していないのに共有名義にすると、贈与税がかかる可能性がある。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。