令和3年8月豪雨の報道でテレビ西日本が久留米市梅満町周辺の浸水被害を報道。
大学教授や記者がコメントをした中で、被害を受けた住民の声を流した。
《報道内容》
福岡県によりますと、久留米市では「県内最悪」となる約3200戸の住宅で、床上・床下浸水の被害が出ました。
なぜ街は、水に沈んだのかー
■報道の内容
「ちょうどこの橋に川の中のゴミがかかっている箇所があるんですけど、おそらく水位はこのガードレールと同じぐらいの高さまで上がって溢れている、あれが痕跡だと思います」
河川工学の専門家で福岡大学の渡辺亮一教授は、筑後川の支流や排水路が網の目のように張り巡らされたエリアで、「次々に川が氾濫した」と指摘します。
「(浸水したのは)筑後川の堤防で守られた内側なんですが、どうしても5メートル程度低いので、こちらで溢れてしまう。溢れるというよりは雨水が貯まる(地域)というのが適切だと思います」
今回の氾濫のメカニズムはー
まず、一級河川である筑後川の水位が上がってきたら、支流への逆流を防ぐために水門を閉じます。
支流への逆流が最も危険だからです。
すると今度は、逃げ道を失った支流の水位が上がり、氾濫の恐れが高まります。
その時に重要なのが、排水ポンプ。
このポンプで水を吸い上げ、支流から筑後川へ逃がします。
しかしー
▼記者
「支流での氾濫を防ぐためにこうした排水施設があるわけですが、今回は降り続く雨に排水が追いつかなかったものと見られます。市としての対応が後手に回っているのは間違いなさそうです」
久留米市では14日、8月の観測史上最多となる1時間あたり72ミリの雨を記録。
短時間での激しい雨が、排水ポンプの処理能力を上回ったわけです。
2020年まで3年連続で大規模な浸水被害が起きた久留米市は、排水ポンプの増強を図るなど対策を講じていますが、いまだ完成には至っていません。
「新規にこの手のポンプ場を作ると数十億円かかると言われています、そもそも計画をして完成までに、どう短く見積もっても5年以上かかります」
「抜本的な対策がなされていない」と、住民は強い憤りを感じています。
▼浸水被害を受けた住民
「何してんの!?市は!市はもうちょっと動けと。税金取ってるんだから」
「5年間かけて(支流から)筑後川に流す排水ポンプを作るって言ってるが、あと2年後ぐらいですか?それまでにまた浸かる」
こうした中、久留米市の大久保勉市長は16日午後、市内の排水設備を視察。
そもそも、「即効性のある対策」は検討されているのか、市長に尋ねました。
▼久留米市 大久保勉市長
「おっしゃる通りで、スピード感をもってやっていかないといけない。そのためには久留米市だけでは難しい」
対策が追い付かないほどの豪雨は、行政に重い課題を突きつけています。
TNCテレビ西日本⇒“水に沈んだ街” なぜ?久留米市の住宅3200戸が浸水被害「何してんの市は!」住民は強い憤り 福岡県
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■SNS炎上
これを受けて、SNS上のコメント欄が炎上。
同じ久留米市や周辺住民の声がコメントされた。
地元でもあの辺は浸水する地域で昔から有名です。
長年久留米に住んでいる年配の方々はあそこは住めるところじゃないと言います。そんなところに新しく家を建てたりアパートやマンションが増えて住宅街になってることが信じられません
専門家が、早くても5年はかかるっていってるのに「何してるの市は!」と文句言われてもね。市も既に工事始めてるし、急いでると思いますけど…税金払ってるから言いたい放題というのはちょっと違うよね。
数十億もするポンプを増設するために一戸当たりの税金を上げたら?
なんでも、市のせいにするのは違うと思う。
何度も浸水するような地区に家を建てるのが間違い。
被災者の意見だからだと言って、何でも記事にすれば良いってものではない。
行政の不作為による人災って方向に誘導したいのかと思う。
我が儘とも言える意見を掲載するのは、被災者全体のイメージを悪くし、誰のためにもならない。
元々は田んぼと畑の場所でした。水に浸かれば肥沃な泥で作物がよく実ると言う場所。しかしいつからか田んぼがなくなり、綺麗な住宅地や店舗が増えて、街になりました。行政にも責任はありますが、住宅地に向かない場所を宅地開発した住宅業者も責任を負うべきでは無いのでしょうか?
昔深い谷だったところに盛土して2年くらいで住宅地として販売しているのをよく見かけます。
毎年毎年浸かって、「何してんの住民は!」
どこか安全な市営住宅でも自分たちで探せよ。
それより、一部の住民のための税金投入こそ強い憤りを感じる。
こんな所に新築分譲建てちゃって大丈夫かー!?って例をよく見ます。
昔からの住人は水が浸かるところは解ってるけど、業者は売ったもん勝ちだし購入者は他の地域から移り住んでくるから解らないのだろう。
昔の人が住まなかった場所に家を建てていることが根本の原因だと思います。
四年連続浸かってしまった久留米。
暴れ川として昔から有名な筑後川ですが、久留米市民にとっては、お母さんみたいななくてはならない存在です。基本、穏やかだけど怒ったら怖い的な。
え?だから5年計画とかで新たに設備を作ろうとしてるのでは…?大きなものを作るには、それ相応の時間と費用がかかるんだぞ?税金払ってるだぞ!って決まり文句みたいに言われるけど、市役所の職員だって税金納めてるんだよなぁ。
コメント欄⇒
“水に沈んだ街” なぜ?久留米市の住宅3200戸が浸水被害「何してんの市は!」住民は強い憤り 福岡県(TNCテレビ西日本)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース
内容を検証してみると意外な真実も判明した。
■土地の成り立ち
国土地理院の治水地形分類図を見てみる。
治水地形分類図は、治水対策を進めることを目的に、国・都道府県が管理する河川の流域のうち主に平野部を対象として、扇状地、自然堤防、旧河道、後背湿地などの詳細な地形分類及び堤防などの河川工作物等を表示している地図です。
この治水地形分類図から土地の成り立ちを理解でき、そこから起こりうる水害や地震災害などに対する自然災害リスクを推定することが可能です。
今回の地域は氾濫を繰り返してつくられた氾濫平野である。
★治水地形分類図
■航空写真
過去からの航空写真を見てみる。
▼昭和22年
昭和28年の筑後川が破堤し、大規模水害が発生する前。
広大な田が広がっている。田の形状から圃場整備が重要な農地としての位置づけがされていたと考えられる。
▼昭和50年
昭和50年。昭和46年の区域区分設定で市街化区域に指定された直後。
行政施設が建設され始めている。
▼平成9年
平成に入ると一気に都市化。
主に工業系の活用が進展。昭和28年の水害の記憶は風化したのだろうか?
用途地域の影響か、住宅系の立地は少ない。
▼平成22年
工業地の隙間や東側に住宅地が立地。
所有者の資産運用か長屋の共同アパート系も多くなっている。
持ち主は、この土地がどのような箇所が理解しているため貸家で資産運用のパターンか?
現在でも不動産業者は活発に動いているようだ!
■土地の価格
地価公示等
新幹線や特急が停止するJR久留米駅にも近く、国道264号BPやその沿道の商業施設もあるこの地区は利便性が高い。
しかしながら、各駅停車しかとまらない近隣の地区より、土地の価格は安い。
浸水や災害リスクを加味したものか?
■まとめ
個人的な考察ですので誹謗中傷のご意見はやめてください。
過去からの地域の変遷から判断すると、浸水常襲地であることは明白である。
4年連続といっているが、過去も頻繁に浸水している地区のようであり、これまでも浸水対策を進めてきている。
このような事実を知らない人が、利便性や土地の安さから購入したケースが多い。その時の不動産業者の説明がどうであったのかという点は否めないが、購入する者としてどの程度調べたのかという自己責任はないのだろうか。
浸水被害の事実を放送するのはマスコミの重要な役割であろう。しかし、その土地の歴史や周辺の意見など相対的に分析し、どこに課題があるのか、どのような意見でもあんに放送しておけばよいのかというのは疑問である。
事実、この地区の住民が救出される状況をマスコミのカメラで撮影できているという点を考えると、このあたりに行けばいい画が撮れるということを認識しての行動ではないだろうか?
みなさんはどのように思われるだろうか?