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不動産調査と建築基準関係規定

【重説・調査】建築基準関係規定に「景観法」は該当するの?

 

このブログは、まちづくりや都市計画、不動産の取引や投資に関して役立つ情報をつぶやくOSSAN(オッサン)のブログです。良かったらブックマークを活用いただき、業務や調べものの時に活用してくれると励みになります。

不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。

そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?

 

不動産の調査で建築基準関係規定に「景観法」は該当するのかについて理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。

 

不動産の調査において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

建築基準関係規定とは、建築確認において審査される項目のことで、建築基準法に加えて、都市計画法や消防法、バリアフリー法などのうち一部の規定が該当します。

建築確認制度では、建築主は建築主事(民間審査機関も含む)へ対し審査を申請し、この「建築基準関係規定」への適合性を審査し問題がなければ「確認済証」が交付される仕組みとなっています。

 

1 景観法で関係する建築基準とは

  1. 【建築確認4号建築物】法第6条第1項第4
    *2025年4月1日からは法第6条第1項第3号
  2. 【景観地区】法第68
  3. 【地区計画】法第68条の2
  4. 【準景観地区】法第68条の92
  5. 【景観重要建造物】法第85条の2

建築基準関係規定は、大きく5つあります。

一つ目は、建築確認申請に関する規定として、法第6条第1項第4号の建築物に関する部分です。

二つ目は、景観地区内の建築物に対する規制として法第68条です。

三つ目は、地区計画に関する規定として法第68条の2です。

四つ目は、準景観地区内の条例制限に関する部分です。

最後に景観重要建造物に対する制限の緩和となります。

 

 

 

2 4号建築物・準景観地区

4号建築物とは、建築基準法第6条第1項第4号建築物のこと(2025年4月以降は3号建築物)です。

4号建築物は、比較的小規模な建築物を指し、都市計画区域外では建築確認申請が不要建築工事届出のみ)となっています。

しかしながら、景観法に基づき都市計画区域外に指定される「準景観地区」内では、4号建築物であっても建築確認申請が必要となります。

準景観地区は都市計画区域内に指定される「景観地区」に準じて都市計画区域外・準都市計画区域外に指定されます。

景観地区に準じた建物の制限(建築物の高さ、壁面の位置の制限など)を設けることが可能(条例化・建築基準法6892)となっています。

 

 

 

 

3 景観地区・地区計画

景観地区とは、都市計画により都市計画区域内に指定される地域地区の一つです。

都市計画により景観地区に定めれる制限は、建築基準法68条の規定により制限を受けます。

ただし、制限を受けるのは景観地区で定められる非必須の「高さの最高限度・最低限度、壁面の位置の制限、敷地面積の最低限度」3つのみです。

景観地区で必ず定めなければならない「形態意匠の制限」については指定されても、すぐさま建築基準法で制限されるわけではないです。

建築基準法に基づいて「形態意匠の制限」を行うためには、建築基準法68条の2に基づく「地区計画条例」を整備する必要があるのです。

なお、景観地区内では、景観法により建築行為の着手前に市町村長の認定を受ける仕組みが設けられています。これを景観法第63条認定といいますが、建築基準関係規定には定められていないため、建築確認申請書への添付は不要です。

このため、建物の外観デザインや塀や柵などを建築基準法により規制するには、地区計画条例化が必要です。

 

 

 

4 景観重要建造物

建築基準法第85条の2は景観重要建造物の制限の緩和です。

景観法で指定される「景観重要建造物(国宝、重要文化財特別史跡名勝天然記念物および史跡名勝天然記念物を除く)は、市町村の条例化+国土交通大臣承認により建築基準法の一部を適用させないようにすることができます。

緩和できる法一覧はこちらです。

法令

制限の内容

法第21条

大規模木造の構造制限

法第22・23条

屋根不燃区域及び不燃区域内の延焼の恐れのある部分の外壁構造

法第24条

屋根不燃区域が内外にわたる場合の措置

法第25条

大規模木造の外壁・軒裏の制限

法第28条

居室の採光、居室の換気

法第43条

接道規定

法第44条

道路内の建築制限

法第47条

壁面線の建築制限

法第52条

容積率

法第53条

建蔽率

法第54条

低層住居専用地域内での外壁の後退距離

法第55条

低層住居専用地域内での高さの限度

法第56条

道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限

法第56条の2

日影規制

法第58条

高度地区

法第61条

防火地域・準防火地域内の制限

法第62条

防火地域・準防火地域内の屋根の構造

法第67条第1項・第5項〜第7項

特定防災街区整備地区内の建築物の制限

法第68条第1項

景観地区内の高さの最高限度・最低限度

法第68条第2項

景観地区内の壁面の位置の制限

建築基準法第85条の2

 

 

 

5 最後に

いかがでしたか?

今回は、建築基準関係規定に「景観法」は該当するのかについての説明でした。

物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。

物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。

調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね

ということで以上となります。こちらの業務の記事が参考となりましたら幸いです。