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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
買主が物件を探している段階で、「この不動産にはどのような建物が建てられるのか?」と考えるからです。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の内容を説明するには「電柱」が近くにある場合の不動産の注意事項について理解しておくことは重要です。ここでは、その内容と考え方についてわかりやすく記事にしています。
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 電柱とは
「電柱」は、電力会社が家庭に電気を送るために、道路(敷地)上に設置されている「電力柱」と、NTTなどの通信会社が電話回線や光ケーブルを家庭につなげるための「電信柱」があり、一般的には電柱と呼ばれています。
見た目で見分けることは難しいですが、通常、柱には誰が管理しているかを示す管理プレートが付けられています。
これを見れば電力会社・通信会社どちらの管理かわかります。
都市部では、電柱・電信柱の共用の柱もあり、1本の柱に電力会社と通信会社の管理プレートが両方取り付けられています。
2 電柱の調査方法
不動産を売買するとき、敷地内や持分のある私道に電柱がある場合はもちろん調査が必要です。
持分がなくても前面道路に電柱がある場合には、電柱に備え付けられている番号や記号を確認のうえ、所在地の電柱を管理している電力会社や電話会社に次のような調査を行います。
- 買主と電力会社との間で補償契約や取り決めする必要がないか
- 買主が希望する場合には電柱の移設は可能か、その際の費用や手続きなどはどうなるのか
- 再建築する場合には事前に協議などが必要となるのか
3 敷地内に電柱がある場合
敷地内に電柱を設置する場合、その土地の所有者が承諾書を出したり、土地の使用契約を電力会社等と結びます。その土地を売却しても、原則としてその内容は買主が引き継ぎます。
電力会社からは電柱敷地料として、宅地の場合には、電柱(支線・支柱)1本あたり1,500円/年もらえます。これは電気通信事業法で決められた金額であり、地目が田の場合は1,870円、畑の場合は1,730円、山林等の場合は215円となっています。
このため、不動産売買による電柱敷地所有者の変更がある場合には、電力会社等に伝えなければなりません。
4 電柱を移すことができる?
自分の敷地内から他人の敷地内に電柱を移すことは非常に難しいです。
どのような場合に電柱を移すことができるのでしょうか。
①道路から敷地内
道路から敷地内に移す場合や敷地内から敷地内に移す場合は認められるケースが多く、工事費用も無償になることが多いです。
②道路から道路
道路から道路でも公道の場合は、道路管理者である自治体にとって特に問題がなければ認められるケースが多いです。ただし、その場合でも、自分の敷地の前面の範囲内での移動であって、隣地の所有者が承諾しない限り、隣地の前面に移すことは難しいでしょう。
また、工事費用として15万円前後の負担を求められる場合があります。
③私道の場合
私道の場合は、自分の私道内で移すのは良いが、自分の私道から他人の私道に移すのは難しいでしょう。
④その他
敷地内から公道の場合や、私道から公道に移す場合は認められないケースが多いです。歩行上の安全性やバリアフリー化の理由から、公道に電柱が置けない、または置かないという行政の意向により敷地内に置かれているケースが多いからです。
ただし、不動産によって異なるため、移設できるかどうかは確認してみなければ確実なことはわかりません。また、認められるケースであっても、技術的に移設が困難な場合もあるので、必ず電力会社やNTTに確認すべきです。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産調査の基礎となる「電柱」が近くにある場合の不動産の注意事項についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、その意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。