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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
買主が物件を探している段階で、「この不動産にはどのような建物が建てられるのか?」と考えるからです。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の内容を説明するには「建物図面・各階平面図」について理解しておくことは重要です。
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となります。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
不動産を調査する際には、次の資料を法務局から取得する必要があります。
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 公図
- 地積測量図
- 建物図面、各階平面図
この記事では、建物図面・各階平面図を取得する場合について、建物図面・各階平面図とはなにか、その見方や読み方や取得方法について、また、建物図面・各階平面図を取得して、何を調査すればよいのかについてわかりやすく説明します。
1 「建物図面」「各階平面図」とは
1-1 建物図面
(不動産登記規則第82条第1項~第3項)
建物図面は、その敷地にある建物の一階(地上の最低階)の位置及び形状を明確にするものでなければならず、附属建物(車庫など)があるときは、主たる建物または附属建物の別、及び附属建物の符号、方位、敷地の地番、及びその形状並びに隣接地の地番を記録し、原則として1/500の縮尺で作成しなければならない。
建物図面とは、建物の形状および敷地との位置関係を示した図面です。
建物を新築して表題登記、および増改築して、床面積・構造の変更登記を申請するときなどに作成し、法務局に提出します。
建物の新築や増築の場合に行われる登記の際に添付される図面で、一棟もしくは数棟の建物、または区分建物の位置・形状・面積などを示す法的な図面になります。
1-2 各階平面図
(不動産登記規則第83条第1項・第2項)
各階平面図に附属建物があるときは、主たる建物または附属建物の別、及び附属建物の符号、各階の別、各階の平面の形状及び一階の位置、各階ごとに建物の周囲の長さ並びにその求積方法(=計算方法)を記録しなければならず、原則として1/250の縮尺で作成しなければならない。
各階平面図とは、各階の形状を示し、床面積および求積方法を記載した図面です。建物を新築して表題登記、および増改築して、床面積・構造の変更登記を申請するときなどに作成し、法務局に提出します。
一般的に、建物図面と各階平面図をまとめて、建物図面と呼びます。
表題登記(建物表示登記)申請に建物図面の添付が必要となったのは1960(昭和35)年4月1日からで、それより前については、建物図面がないのが一般的です。
2 建物図面・各階平面図の取得方法
取得方法として、次の4つの方法があります。
- 調べたい不動産を管轄する法務局に行く
- 最寄りの法務局に行く
- インターネットで取得する
- 郵送で取り寄せる
詳しくはこちらをご覧ください。
3 建物図面・各階平面図の見方
建物図面の見方や調査するポイントは次の通りです。
- 図面からわかること:建物形状・建物面積・建物と隣地の距離
- 調査のポイント:現況の建物と図面を照合します。もし図面と差異(床面積・階数・形状など)があれば、その理由(増改築の未登記部分など)を売主に確認します。
増築がある場合は、増築前の建物図面の範囲と、増築後の建物図面の範囲を見比べることで、増築部分を特定できます。
各階平面図は、1階以外の形状を示す際は、点線で1階の形状を同時に示します。
特に建物図面で、建物と敷地外周までの距離もわかります。
隣地との距離については、次の通り民法の規定も重要です。
民法234条:隣地境界線から50cm以上の距離を保たなければならない。(50cmには出窓なども含まれる。)
民法235条:隣地境界線から1m未満の距離に他人の宅地を見通すことができる窓やベランダを設ける場合は、目隠しをつけなければならない。
建物図面に記載されている土地の範囲や形状は、実測にもとづくものではないので、実際と異なっていることがあり、注意が必要です。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産調査の基礎となる「建物図面・各階平面図」についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、用語の意味をきちんと理解し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。