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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
買主が物件を探している段階で、「この不動産にはどのような建物が建てられるのか?」「金額は妥当なのか?」と考えるからです。
そのような日々の業務の中で使用される専門用語など理解するのは重要です。なんとなくの独自の理解で納得していませんか?
不動産の売買価額を検討・説明するには「公示地価」が一定の目安になります。
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 公示地価とは
地価公示法
(目的)
第1条 この法律は、都市およびその周辺の地域等において、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、および公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することを目的とする。
(土地の取引を行なう者の責務)
第1条の2 都市およびその周辺の地域等において、土地の取引を行なう者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行なうよう努めなければならない。
公示地価は、国土交通省が毎年3月に公表するその年1月1日時点における全国の標準地の土地価格を公示(公表)するものです。
一般の土地取引や相続税評価・固定資産税評価の目安として活用されるとともに、公共用地の取得、金融機関の担保評価、企業が保有する土地の時価評価の基準・指標としても活用されます。
この地価を公表することを「地価公示」といい、地価公示によって公表された価格を「公示地価」といいます。
その際、土地の用途を「住宅地」「商業地」「工業地」などに分類して発表します。2021年の地価調査地点は約2万6000地点です。
全国の不動産鑑定士が評価して、学識経験者らでつくる国土交通省土地鑑定委員会が建物の価値などに左右されないよう土地を更地として適正な地価を公表します。
公的機関が公表する主な地価の指標は、公示地価のほか、
国税庁が7〜8月に公表する路線価(1月1日時点)、
都道府県が調べて国土交通省が9月に公表する基準地価(7月1日時点)
があります。
公示地価を発表する主な理由はこちらです。
- 一般の土地の取引に対して指標を与えること
- 不動産鑑定の基準となること
- 公共事業用地の取得価格算定の基準となること
- 土地の相続評価および固定資産税評価についての基準となること
- 国土利用計画法による土地の価格審査(基準地価)の基準となること
公示地価は土地の相続評価や固定資産税評価の基準となっています。
路線価図に路線価がのっていない土地や建物について使う固定資産税評価額は公示地価の70%
の水準になるように計算されています。
2 公示地価をもう少し詳細に
不動産は同じ場所に全く同じ不動産はこの世に2つとありません。土地の一つ一つの形も違い、面積も異なりますよ。
そのため、不動産の本当の価値や価格をつけることは難しく、結果として売主の言い値や買主の付け値によって取引価格が異なってしまいます。
その目安となる土地の鑑定価格が公示地価なのです。
しかし、土地の特性や取引する人のそれぞれの事情から、実際の取引では公示地価より高い場合も低い場合もあります。
あくまでも公示地価というのは、それぞれの事情などが取り除かれた、自由な取引において通常成立すると考えられる1㎡あたりの価格(正常価格)を示しています。
また公示地価は、土地のみの価値を示すため、建物がない状態である更地として価格を出します。
評価しているのは、不動産の鑑定評価の専門家である不動産鑑定士です。
2人の不動産鑑定士が別々に現地を調査し、最新の取引事例(取引事例比較法)やその土地からの収益の見通し(収益還元法)などを分析して価格を算出します。
さらに、地点間や地域間のバランスなどを検討し、国土交通省の土地鑑定委員会が公示価格を決定しています。
住宅地や商業地など周辺の状況や形・広さを考えて、標準的な土地を公示地価の対象として選んでいます。
標準地は特に次の点に留意して選ばれています。
- 代表性:その地域全体の地価水準をできる限り代表しうるものであること。
- 中庸性:近隣地域での土地の利用状況、環境、面積、形状等が片寄らず調和がとれているものであること。
- 安定性:近隣地域での安定した土地の利用状況に配慮したものであること。利用状況が移行している場合はその変化にも十分に配慮したものであること。
- 確定性:明確に他の土地と区分され、範囲が特定できるものであること。
公示地価は、その土地の形状(間口と奥行き)、周辺の土地の利用状況、ガス・水道・下水道の整備状況などが示され、その条件の土地でいくらかということがその内容となっています。
公示地価を調べたい方は、国土交通省のWebシステムを無料で利用することができます。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産調査の基礎となる「公示地価」についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、土地利用の条件を的確に調査し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
地価公示は地価を公表すること、公示地価は国から公表された土地価格ということでしたね。
あなたが土地の適正な価格がいくらなのか知りたいときに、国が公表している客観的な目安となる土地の鑑定価格が公示地価ということなのです。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。