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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
買主が物件を探している段階で、「この不動産にはどのような建物が建てられるのか?」と考えるからです。
そのような日々の業務で登記簿の内容を読めるようになるのは重要です。
不動産の調査で必要な、登記簿の抹消登記とはなんでしょうか?
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 抹消登記とは
抹消登記とは、登記の内容がなくなったときに消し、登記全体の効力を失わせる登記です。
銀行などの抵当権設定登記は、返済を完了したときにの抹消もこれにあたります。
抹消登記は主登記で行い、順位番号を付けます。
抹消する登記の文字の下に下線を引き、抹消したことを示します。書かれていた文字は残るため、抹消された内容は確認できます。
抹消された登記事項は、現在は効力がありませんが、その不動産の履歴を知ることができるため、調査する上で重宝されます。
2 抵当権抹消登記の原因
抵当権の消滅の原因には次のようなものがあります。
①弁済
借入金をすべて払い終わり、抵当権の被担保債権(借りたお金)が消滅すると、抵当権も消滅します。元本が確定した根抵当権は抵当権と同様なので、弁済により消滅し、抹消登記の原因は弁済となります。
②放棄
抵当権者または根抵当権者(貸した人)が、抵当権設定者(借りた人)の要請を受けて権利を放棄することです。例としては、共同担保となっている不動産の一部を売却する際に、その不動産について権利を放棄します。
③解除・解約
解除とは、契約当事者の一方が、一方的に契約関係を解消することです。返済すべき残高が少なくなり、債権債務(貸し借り)関係はあっても、抵当権で担保するほどではないときなどに、抵当権を解除します。根抵当権には、弁済という概念がないので、消滅の一般的な原因は解除です。
④主債務消滅
保証委託契約による求償債権の抵当権について該当します。銀行から住宅ローンを借りる際、銀行に関連する保証会社に、万一のときは債務者に代わって銀行に代位弁済する保証人の役割を頼む(保証委託)契約をします。求償債権とは、保証会社が銀行に代位弁済したときに、その弁済額を債務者に請求する(求償という)債権です。債務者が弁済して主債務が消滅すれば、保証債務も消滅します。
⑤混同
混同は、混じり合ってひとつになるという意味です。抵当権者が担保不動産の所有権を取得すると、自分で自分に抵当権をかけているおかしな形になります。この場合に抵当権は、所有権と混じり合って消滅するのが一般原則です。
⑥抵当権の実行による売却
競売による売却により、配当の有無にかかわらず、抵当権はすべて消滅します。2番抵当権者が競売申立てをした場合でも、1番抵当権者は、2番抵当権者に優先して売却代金から配当を受けるので、いわば自動的・強制的に、自分が競売申立てをしたのと同じ結果となります。これは、2番抵当権者に後れる3番抵当権者についても同じことです。つまり、どの抵当権者が競売申立てをしても、結果として、すべての抵当権者を対象に手続きが進められます。
⑦完納
相続税を一度に納めることが困難な場合は、担保を提供して延納することができます。延納手続きを取ると、担保のために財務省の抵当権が設定されます。納め終わったときは、完納を原因として抵当権を抹消します。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産調査の基礎となる『抹消登記』についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、土地利用の条件を的確に調査し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。