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不動産を売買する上で、その物件の情報を早い段階で調査しておく必要があります。
買主が物件を探している段階で、「この不動産にはどのような建物が建てられるのか?」と考えるからです。
不動産の調査の中でも、水道・電気・ガス・下水道などライフラインの調査は非常に重要です。不動産売買における重要事項説明の項目にも含まれています。
不動産の売買において土地利用の内容を説明する際には正しい根拠を正確に売主・買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。
1 ガスの調査項目(重要事項説明)
こちらが重要事項説明書に記載されている項目になります。
記載項目として、直ちに利用可能な施設、配管等の状況、整備予定・負担金があります。
1-1 直ちに利用可能な施設
プロパンガス直ちに利用可能な施設として利用できるガスは、次の3種類です。
①都市ガス:道路の下のガス導管を通じて供給
②個別プロパン:戸建に、ガスが入ったボンベを事業者が設置することで供給
③集中プロパン:マンションやアパートに、ガスが入ったボンベを事業者が設置することで供給
地域によってはプロパンガス会社がガス導管設備を設置して、都市ガスのようにプロパンガスを供給しているところもあります。
その場合は「集中プロパンガス」として説明します。
1-2 配管等の状況
前面道路配管と引込管配管等の状況の項目は重要で、調査が必要です。ガス管については、対象物件の敷地内配管・前面道路配管を調査し、前面道路配管の口径を調査します。
敷地内配管とは、前面道路配管から敷地内メーター類まで引き込まれている引込管のことです。ガス会社で確認し、現地と照らし合わせます。
①前面道路の埋設管の位置・口径
②敷地内への引込管の位置
1-3 整備予定金・負担金
ガス管を引く予定がある場合は、その時期と費用が発生するか(負担金の有無)について、こちらの項目で記載します。
2 都市ガス(ガス管)の調査
ガス導管図都市ガスの調査では、ガス導管図を取得し、次の調査ポイントを踏まえて、前面道路配管の種類・口径・調査物件への引込管を確認します。
2-1 前面道路配管は低圧管であること
都市ガスは、原則として低圧管でないと引き込めません。
2-2 ガス導管図と公図を照合すること
ガス導管図は、土地の形まで記載がないため、建物の位置しかわかりません。
ガス導管図を入手したら、必ず公図と照らし合わせて確認します。
2-3 他人管埋設と他人地利用
配管のトラブルの多くが他人管埋設・他人地利用によるものです。
他人管埋設・他人地利用配管が他人の土地を通っており、その土地の所有者が変わって新たに使う場合に制限があったり、逆に他の土地への配管が地下を通っているため、建築に制限が生じる場合があります。
売主や現地、ガス会社での聞き取り調査(ヒアリング)や取得資料を付け合わせて、十分な調査が必要です。
2-4 ガス床暖房を使用する場合
ガス床暖房はガスの使用量が増えるため、利用することが可能性がある場合には、現在の引込管口径で使用できるか確認が必要です。
2-5 1宅地1引込の原則
1つの宅地につき、1つの引込管が原則です。引き込み位置とガスメーターを確認しましょう。
3 プロパンガスの調査
マンションなど集中プロパンの場合は、プロパンガス会社からガス管の配管図を取得できることがあるため、問い合わせて確認します。
また、所有者変更手続きの方法についても確認します。
都市ガス供給区域内で、プロパンガスを使っている場合があります。都市ガスへの切替えを希望する場合には、プロパンガス会社と都市ガス会社に手続きの方法や費用を確認します。
この場合、敷地内のプロパンガス配管や機器設備等の所有権が、プロパンガス会社にある場合があります。
プロパンガス会社の承諾なく、勝手に配管や機器設備等を撤去・廃棄してしまうと、損害賠償請求を受けることもあります。プロパンガス供給契約書で、配管や機器設備等の取扱いがどうなっているのかを確認しましょう。
■まとめ
いかがでしたか?
不動産調査の基礎となる『ガスの配管調査』についての説明でした。
物件の仲介を行うためには、土地利用の条件を的確に調査し、売主・買主に適切に把握してもらう必要があります。
物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士として重要な要素となってきます。
調査した結果、売買の対象となるについては、十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。