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【特集 不動産調査】「宅地建物取引士」とは?その役割について解説!宅建・土地取引・投資のノウハウをわかりやすく解説!!

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この記事では、不動産取引における土地売買の参考価格にある「宅地建物取引士」について解説しています。

宅地建物取引士は、宅建業者である不動産会社に所属し、公正な不動産取引を実現するための重要な役割を担っています。

不動産の売買において価格の考え方を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 宅地建物取引士とは

宅地建物取引業法第1条)

この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もって購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。

 

このように宅建業者である不動産会社には、専門家として取引に関する知識経験や調査能力を活用・発揮することが期待され、取引に関与するにあたり、取引において消費者に損害を被ることがないようにするという社会的責任を負っています。

宅地建物取引士(宅建士)は、宅建業者である不動産会社に所属し、公正な不動産取引を実現するための重要な役割を担っています。

 

消費者と不動産会社との間には、不動産取引全般に関する知識や情報量に大きな格差が存在しています。このような格が存在するということは、不動産会社は、消費者が知らないことをいいことに悪いことができるとも言えます。

そのため、不動産の売買や、売買・賃貸の媒介等である仲介を仕事として行う不動産会社(宅地建物取引業者、略して宅建業者)に対して、宅地建物取引業法宅建業法)という法律によって、様々な規制がかけられています。

 

 

 

2 宅地建物取引士の専門的な仕事

宅地建物取引士は、2014(平成26)年の宅建業法改正により、2015(平成27)年度から従来の「宅地建物取引主任者」からの名称変更で誕生しました。制度は古くからあり、宅地建物取引主任者の全身である「宅地建物取引員」の制度は1957年(昭和32)年から存在しています。

 

宅建業法上で定められている宅地建物取引士でなければ行うことができない仕事は次の3つとなっています。

 

①重要事項の説明

宅地建物取引業法第35条1項)

宅地建物取引業者は、宅地もしくは建物の売買、交換もしくは貸借の相手方もしくは代理を依頼した者または宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換もしくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、または借りようとしている宅地または建物に関し、その売買、交換または貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

 

②重要事項説明書への記名押印

宅地建物取引業法第35条5項)

第一項から第三項までの書面の交付に当たっては、宅地建物取引士は、当該書面に記名押印しなければならない。

 

③契約締結時に交付すべき書面への記名押印

宅地建物取引業法第37条3項)

宅地建物取引業者は、前二項の規定により交付すべき書面を作成したときは、宅地建物取引士をして、当該書面に記名押印させなければならない。

 

 

 

3 宅地建物取引士に新設された3つの規定

宅地建物取引士への名称変更とともに、宅地建物取引士に関する次の3つの規定が宅建業法に追加されました。また、業法の解釈・運用の考え方にも関連項目が追加されました。

 

①宅地建物取引士の業務処理の原則

宅地建物取引業第15条)

宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地または建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地または建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。

 

業法の解釈・運用の考え方(第15条関係)には「公正誠実義務について」次のようにあります。

宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として、専門的知識をもって適切な助言や重要事項の説明等を行い、消費者が安心して取引を行うことができる環境を整備する必要がある。このため、宅地建物取引士は、常に公正な立場を保持して、業務に誠実に従事することで、紛争等を防止するとともに、宅地建物取引士が中心となって、リフォーム会社、瑕疵保険会社、金融機関等の宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携を図り、宅地及び建物の円滑な取引の遂行を図る必要があるものとする。

 

②宅地建物取引士の信用失墜行為の禁止

宅地建物取引業第15条の2)

宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用または品位を害するような行為をしてはならない。

 

業法の解釈・運用の考え方(第15条の2関係)には「信用失墜行為の禁止について」次のようにあります。

宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として専門的知識をもって重要事項の説明等を行う責務を負っており、その業務が取引の相手方だけでなく社会からも信頼されていることから、宅地建物取引士の信用を傷つけるような行為をしてはならないものとする。宅地建物取引士の信用を傷つけるような行為とは、宅地建物取引士の職責に反し、または職責の遂行に著しく悪影響を及ぼすような行為で、宅地建物取引士としての職業倫理に反するような行為であり、職務として行われるものに限らず、職務に必ずしも直接関係しない行為や私的な行為も含まれる。

 

③宅地建物取引士の知識及び能力の維持向上

宅地建物取引業第15条の3)

宅地建物取引士は、宅地または建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。

 

業法の解釈・運用の考え方(第15条の3関係)には「知識及び能力の維持・向上について」次のようにあります。

宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として、常に最新の法令等を的確に把握し、これに合わせて必要な実務能力を磨くとともに、知識を更新するよう努めるものとする。

 

 

 

■まとめ

いかがでしたか?

不動産調査の基本である『宅地建物取引士』についての説明でした。

宅地建物取引主任者制度が創設された当時に比べ、重要事項説明の項目も膨大かつ複雑化しており、業務に関して必要な知識も多様化しています。宅地建物取引士は、資格にふさわしく大きな役割をきっちりこなす必要があるといえるでしょう。

物件の売買を実施・仲介するにあたっては、宅地建物取引士の存在は重要な要素となってきます。

調査した結果、売買の対象となるについては、買主に十分に説明し理解のうえ、契約を行う必要があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に十分に確認しチェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。