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【重要事項説明】バリアフリー新法第46条、第47条第3項、第50条第4項、第51条の2第3項(移動等円滑化経路協定、移動等円滑化施設協定)|制度の概要と課題!?重要事項との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

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高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律は、高齢者や障害者が自立した日常生活や社会生活を行えるように、公共交通機関・道路・公園等、建築物の構造や設備を改善するための法律で、2006(平成18)年に定められました。バリアフリー新法と略されます。
売買の対象となる不動産が、移動等円滑化経路協定区域に該当する場合には、重要事項説明が必要です。


なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。
これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。
しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。
これが重要なのです。
内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。
この記事では、不動産取引における重要事項説明のうちバリアフリー新法」について解説しています。
不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法などの制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 その他法令に基づく重要事項説明事項とは?

 
法令としては、宅建業法第35条第1項第2号の部分となります。

宅建業法第35条(重要事項の説明等)第1項第二号(抜粋)]
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

二 都市計画法建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

次に政令ですが、宅建業法施行令第3条となります。次の項では、この第3条について詳しく説明します。

都市計画法建築基準法制限一覧は、こちらの記事で解説しています。

ossan358.hatenablog.com

 

■ 都市計画法建築基準法以外のその他の法令に基づく制限

施行令第3条ですが、第1項が「宅地又は建物の貸借の契約以外の契約(売買)」について、第2項が「宅地の貸借の契約」について、第3項が「建物の貸借の契約」について規定されています。
大半が対象外となりますが、この内容を覚えておくことで、少しは重要事項説明漏れを防ぐことができると考えられます。
それでは、この記事ではその他の法令に基づく制限のうちバリアフリー新法』について解説していきます。

 

 


2 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律とは

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」は、高齢者や障害者が自立した日常生活や社会生活を行えるように、公共交通機関・道路・公園等、建築物の構造や設備を改善するための法律で、2006(平成18)年に定められました。バリアフリー新法と略されます。
 

 

 

 

3 重要事項説明の内容

バリアフリー法:移動等円滑化経路協定区域は、不動産取引における重要事項説明事項(その他の法令上の制限)として調査し該当する場合は買主に対し説明する法令となっています。

■法第46条:移動等円滑化経路協定の効力
■法第47条第3項:移動等円滑化経路協定の認可の公告のあった後移動等円滑化経路協定に加わる手続等
■法第50条第4項:一の所有者による移動等円滑化経路協定の設定
■法第51条の2第3項:移動等円滑化施設協定

バリアフリー新法の第46条、第47条第3項、第50条第4項が移動等円滑化経路協定です。

また、法第51条の2第3項が移動等円滑化施設協定となります。
不動産調査のポイントとしては、移動等円滑化経路協定、移動等円滑化施設協定に該当するかです。

移動等円滑化経路協定とは、道路幅員が狭いためスムーズな通行が可能な歩道幅員が確保できなかったり、個々の施設はバリアフリー化されているが、施設間の接続部などに段差が残り、移動の円滑化が確保されていない問題に対応するための取り決めです。

そのため、バリアフリー重点整備地区内において、個々の施設に関する土地所有者等の当事者間の合意により、地域の実情に応じた一体的なバリアフリー化を実現するための、移動経路の整備や管理に関する協定として結びます。これが移動等円滑化経路協定です。

重要事項説明の対象となるのは移動円滑化経路協定に関する内容で、具体的には「移動等円滑化経路協定の承継効(第46条)」に当てはまるかどうかになります。

バリアフリー法第46条(移動等円滑化経路協定の効力)】
第43条第2項(第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあった移動等円滑化経路協定は、その公告のあった後において当該移動等円滑化経路協定区域内の土地所有者等となった者(当該移動等円滑化経路協定について第41条第1項又は第44条第1項の規定による合意をしなかった者の有する土地の所有権を承継した者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。

この協定締結後に、土地所有者が移ってもその効力が及ぶ承継効を設けて、協定の内容に高い安定性と永続性を確保します。

また、この協定を締結しているかどうかは、市町村が認可しているため、市町村の窓口にて確認できるほか、協定を締結した当事者(売主)はその事実を知っているため調査も容易だと思います。

バリアフリー重点整備地区内の移動等円滑化経路協定区域内の土地所有者は、協定に定められた移動等円滑化に関する基準に従って、各々の経路または経路を構成する施設の整備または管理を行うことが求められ、協定によっては、施設整備に係る実質的な費用負担や協定に違反した場合の違約金などが課されることもあります。

 

 

 

■まとめ

いかがでしたか?
重要事項説明の一つである『バリアフリー新法』についての説明でした。
移動等円滑化経路協定に該当しているかはネットで検索すれば調べることができます。
調査した結果、売買の対象となる不動産が、移動等円滑化経路協定区域に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の項目にチェックをつけて、制限の内容を説明する必要があります。
このような物件に関しては、物件の仲介業者は購入希望者に対して、その物件がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に担当の部署に確認し法チェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。