OSSAN358’s ブログ

OSSANの日々の雑記ブログです

【重要事項説明】踏切道改良促進法第10条(滞留施設協定【承継効】)|制度の概要と課題!?重要事項との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

このブログは、まちづくりや都市計画、不動産の取引や投資に関して役立つ情報をつぶやくOSSAN(オッサン)のブログです。良かったらブックマークを活用いただき、業務や調べものの時に活用してくれると励みになります。
令和3年9月25日に改正された「踏切道改良促進法」に伴い、新たに重要事項説明の対象となった宅建業法施行令第3条第1項第25条の2の解説になります。


なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。
これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。
しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。
これが重要なのです。
内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。
この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち「踏切道改良促進法」について解説しています。
不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法などの制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。
建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 


1 その他法令に基づく重要事項説明事項とは?

 
法令としては、宅建業法第35条第1項第2号の部分となります。

宅建業法第35条(重要事項の説明等)第1項第二号(抜粋)]
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

二 都市計画法建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

次に政令ですが、宅建業法施行令第3条となります。次の項では、この第3条について詳しく説明します。

都市計画法建築基準法制限一覧は、こちらの記事で解説しています。

ossan358.hatenablog.com

 

■ 都市計画法建築基準法以外のその他の法令に基づく制限

施行令第3条ですが、第1項が「宅地又は建物の貸借の契約以外の契約(売買)」について、第2項が「宅地の貸借の契約」について、第3項が「建物の貸借の契約」について規定されています。
大半が対象外となりますが、この内容を覚えておくことで、少しは重要事項説明漏れを防ぐことができると考えられます。
それでは、この記事ではその他の法令に基づく制限のうち『踏切道改良促進法』について解説していきます。

 

 


2 踏切道改良促進法とは

踏切道改良促進法は、踏切道の改良を促進することにより、交通事故の防止及び交通の円滑化に寄与することを目的として1961年に制定されたものです。この法律で「踏切道」とは、鉄道(新設軌道を含む)と道路(道路法による道路をいう)とが交差している場合における踏切道を指します。
令和3年9月25日に改正され、宅建業法施行令第3条第1項第25条の2にて、新たに重要事項説明の対象となりました。
重要事項説明の対象となるのは「踏切道改良促進法第10条」となります。

 

 


3 踏切道改良促進法第10条

踏切道改良促進法第10条(滞留施設協定の効力)
前条第3項(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定による公示のあつた滞留施設協定は、その公示のあつた後において協定滞留施設の道路外滞留施設所有者等となつた者に対しても 、その効力があるものとする。

前条第3項とは、「鉄道事業者及び道路管理者は、滞留施設協定を締結したときは、 国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公示し、 かつ、当該滞留施設協定の写しを当該鉄道事業者及び道路管理者の事務所に備えて一般の閲覧に供するとともに、滞留施設協定において定めるところにより、協定滞留施設又はその敷地内の見やすい場所に、当該鉄道事業者及び道路管理者の事務所においてこれを閲覧に供している旨を掲示しなければならない。」とされており、『滞留施設協定』が重要になります。
重要事項説明の内容として、「滞留施設協定」内の施設について、その施設(土地を含む)に関して、新たに所有者となった者に対しても協定は自動的に継続する(承継効)とするものです。
滞留施設協定を結んでいる方の土地取引がある場合に説明する義務がありますので、踏切に近接した土地取引の場合に注意が必要です。
また、滞留施設協定は、鉄道事業者及び道路管理者と滞留スペースの土地所有者の間で締結できるもので、締結した場合には公示され、かつ、滞留スペース内に協定締結を行っている旨を掲示する必要がありますので、協定を締結しているかどうかは明確に分かる仕組みになっています。
なお、国交省では、令和7年度までの5ヶ年間で全国約500箇所の踏切道の指定及び管理方法の策定を目指し、災害時の適確な管理を促進することとしていますので、今後、「滞留施設協定」も増加する可能性があることに留意です。

 
*改正踏切道改良促進法の概要(抜粋)出典:国土交通省

 



■まとめ

いかがでしたか?
重要事項説明の一つである『踏切道改良促進法』についての説明でした。
調査した結果、売買の対象となる不動産が、滞留施設協定に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「踏切道改良促進法」の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要があります。
このような物件に関しては、物件の仲介業者は購入希望者に対して、その物件がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。
少しでも疑問がある場合は、事前に担当の部署に確認し法チェックをしておきましょう。
不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。