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【重要事項説明】首都圏近郊緑地保全法第13条(管理協定区域)|制度の概要と課題!?重要事項との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

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首都圏近郊緑地保全法は、首都圏の市街地の近郊(近郊整備地帯)に存在する自然環境を保全することを目的として、1966(昭和41)年に定められました。首都圏とは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県山梨県の1都7県をさします。


売買の対象となる不動産が、近郊緑地保全区域内に該当する場合には、重要事項説明が必要です。なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。

これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。

しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。

これが重要なのです。

内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち首都圏近郊緑地保全法について解説しています

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法などの制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 その他法令に基づく重要事項説明事項とは?

 

法令としては、宅建業法第35条第1項第2号の部分となります。

 

宅建業法第35条(重要事項の説明等)第1項第二号(抜粋)]

宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

 

二 都市計画法建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

次に政令ですが、宅建業法施行令第3条となります。次の項では、この第3条について詳しく説明します。

都市計画法建築基準法制限一覧は、こちらの記事で解説しています。

ossan358.hatenablog.com

 

都市計画法建築基準法以外のその他の法令に基づく制限

施行令第3条ですが、第1項が「宅地又は建物の貸借の契約以外の契約(売買)」について、第2項が「宅地の貸借の契約」について、第3項が「建物の貸借の契約」について規定されています。

大半が対象外となりますが、この内容を覚えておくことで、少しは重要事項説明漏れを防ぐことができると考えられます。

それでは、この記事ではその他の法令に基づく制限のうち首都圏近郊緑地保全法について解説していきます。

 

 

 

2 首都圏近郊緑地保全法とは

首都圏近郊緑地保全法は、首都圏の市街地の近郊(近郊整備地帯)に存在する自然環境を保全することを目的として、1966(昭和41)年に定められました。首都圏とは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県山梨県の1都7県をさします。

首都圏近郊緑地保全法で定める保全区域内で、建築物の建築、土地の形質の変更、木竹の伐採等をする場合は、都道府県知事に届出が必要です。(首都圏近郊緑地保全法第7条)

近郊緑地、近郊緑地保全区域、近郊緑地特別保全地区の定義は次の通りです。

 

 

 

3 重要事項説明の内容

首都圏近郊緑地保全法第13条(管理協定の効力)

第11条(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告のあつた管理協定は、その公告のあつた後において当該管理協定区域内の土地の所有者等となった者に対しても、その効力があるものとする。

 

重要事項説明の対象としては、宅建業法施行令第3条第1項第18の2号に規定されており、「首都圏近郊緑地保全法第13条」が該当します。

法第13条の内容としては、法第11条の規定のより公告された「管理協定」については、管理協定公告後において当該協定管理区域内の土地の所有者等となった者に対しても、その効力があるとするものです。

 

第11条とは、管理協定の公告(地方公共団体又は市町村長)に関する規定です。

 

管理協定とは、地方公共団体又は緑地保全・緑化推進法人は、保全区域内の近郊緑地の保全のため必要があると認めるときは、当該保全区域内の土地又は木竹の所有者又は使用及び収益を目的とする権利を有する者と協定を締結して、当該土地の区域内の近郊緑地の管理を行うことができるとされています。

 

なお、管理協定が締結されているかどうかの確認は、地方公共団体又は市町村において縦覧(公園系部署)されているのと、現地(管理協定区域内)に看板等が設置されています(首都圏近郊緑地保全法第11条)

 

 

 

4 首都圏整備法との関係

首都圏近郊緑地保全法は、首都圏整備法の一部分です。首都圏整備法とは、首都圏の整備に関する総合的な計画を策定し、日本の政治、経済、文化の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展を図ることを目的として1956(昭和31)年に定めらました。

首都圏整備法は、既成市街地・近郊整備地帯・都市開発区域・近郊緑地保全区域に区分されます。

 

既成市街地:産業および人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持および増進を図る必要がある市街地

近郊整備地帯:既成市街地の近郊において、無秩序な拡大を防止するため、計画的に市街地として整備する必要がある地帯

都市開発区域:既成市街地および近郊整備地帯以外の首都圏の地域のうち、既成都市区域への過度の集中傾向を緩和し、首都圏の地域内の産業および人口の適正な配置を図るため、工業都市、住居都市その他の都市として開発することを必要とする区域で、国土交通大臣が指定する

近郊緑地保全区域:首都圏の近郊整備地帯内において無秩序な市街化の防止や、住民の健全な心身の保持・増進、公害や災害の防止、文化財や緑地や観光資源等の保全などを目的として、国土交通大臣が指定する

近郊緑地保全区域は、国土交通省のHPで指定状況を確認することができます。

 

 

 

■まとめ

いかがでしたか?

重要事項説明の一つである『首都圏近郊緑地保全法』についての説明でした。

調査した結果、売買の対象となる不動産が、近郊緑地保全区域内に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「首都圏近郊緑地保全法」の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要があります。

このような物件に関しては、物件の仲介業者は購入希望者に対して、その物件がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に担当の部署に確認し法チェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。