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【重要事項説明】沿道整備法第10条(沿道地区計画の区域内の制限)|制度の概要と課題!?重要事項との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

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沿道整備法の正式名称は、「幹線道路の沿道の整備に関する法律」で、1980(昭和55)年に制定されました。


沿道整備法は、道路交通騒音の著しい都市部の幹線道路の沿道について、騒音問題に対処するための法律で、都市計画法上の地区計画として、沿道地区計画を定めます。

売買の対象となる箇所が沿道地区計画の区域内に該当する場合には、重要事項説明が必要です。

宅建業法施行令第3条に規定され、調査した結果、売買の対象なる不動産が、沿道整備法に関して指定のある区域等に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要があります。

なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。

これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。

しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。

これが重要なのです。

内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち「沿道整備法」について解説しています

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法などの制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 その他法令に基づく重要事項説明事項とは?

法令としては、宅建業法第35条第1項第2号の部分となります。

宅建業法第35条(重要事項の説明等)第1項第二号(抜粋)]

宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

 

二 都市計画法建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

次に政令ですが、宅建業法施行令第3条となります。次の項では、この第3条について詳しく説明します。

 

都市計画法建築基準法制限一覧は、こちらの記事で解説しています。

 

ossan358.hatenablog.com

 

1-2 都市計画法建築基準法以外のその他の法令に基づく制限

施行令第3条ですが、第1項が「宅地又は建物の貸借の契約以外の契約(売買)」について、第2項が「宅地の貸借の契約」について、第3項が「建物の貸借の契約」について規定されています。

大半が対象外となりますが、この内容を覚えておくことで、少しは重要事項説明漏れを防ぐことができると考えられます。

それでは、この記事ではその他の法令に基づく制限のうち『沿道整備法』について解説していきます。

 

 

 

2 沿道整備法とは

沿道整備法の正式名称は、「幹線道路の沿道の整備に関する法律」で、1980(昭和55)年に規定されています。

ココで指す幹線道路とは、交通量が多く、片側2車線以上の道路で国道などのことです。沿道整備法は、道路交通騒音の著しい都市部の幹線道路の沿道について、騒音問題に対処するための法律で、都市計画法上の地区計画として、沿道地区計画を定めます。

また、交通量と騒音が一定の基準を超え、道路沿いに多くの住宅が建ち並ぶ道路を、沿道整備道路として指定します。

都道府県知事が、国土交通大臣の承認を受けて、幹線道路のうち交通騒音が著しく沿道に相当数の住居が密集している道路を沿道整備道路に指定し、道路及びその沿道の整備について協議するために、関係行政機関による沿道整備協議会を設置し、沿道地区計画をつくります。

沿道地区計画は、沿道整備道路に指定された道路沿いの地区について、自動車騒音の影響を減らし、適切な土地利用と環境整備を図るためのものです。

その地区では、沿道地区整備計画を策定して、指定された沿道整備道路に遮音壁や植樹帯の設置、建築物の高さの最低限度を定めて、背後部への遮音効果を高めるためのマンション・ビルなどの緩衝用建築物の整備を行います。建物の防音工事を行う場合や、沿道に建物(緩衝用建築物)を建てる場合には、国土交通省から助成金や負担金を受けることができます。

 

 

 

3 沿道整備法における重要事項説明

【沿道整備法第10条第1項・第2項抜粋】

沿道地区計画の区域(略)内において、土地の区画形質の変更、建築物等の新築、改築又は増築その他政令で定める行為を行おうとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他の国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。

一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの

二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

三 国又は地方公共団体が行う行為

四 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

五 都市計画法第29条第1項の許可を要する行為その他政令で定める行為

六 (略)

2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち国土交通省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。

 

都市計画で定められた『沿道地区計画』内において、土地の区画形質の変更や建築物の新築等を行う場合には、その行為に着手する30日前までに市町村に届出が必要です。
沿道地区計画が定められていても、方針のみで地区計画の中に地区整備計画が定められていない場合には届出は不要です。

第2項では、届出後、内容を変更する場合にも、その変更に係る行為に着手する30日前までに市町村長に届出が必要となっています。

沿道地区計画区域内の土地等の売買の場合には、建築条例を行っていないか確認しましょう。

建築条例により制限を定めている場合は、建築等を行う場合には建築確認申請時に審査されることとなります。

制限の内容ですが、最低開口率(建築物の沿道整備道路に面する部分の長さ/敷地の沿道整備道路に接する部分の長さ)、防音、遮音、用途、敷地面積、かき作などが定められているので、詳しくは取引ごとの沿道地区計画を自治体の窓口やホームページなどで確認しましょう。

 

 

 

4 沿道地区計画とは

沿道地区計画とは、幹線道路沿いの住環境を確保するためにその対策等を行うための規定です。

沿道整備法第9条第1項では、市街化区域内等において、沿道整備道路に接続する土地の区域で、道路交通騒音により生ずる障害の防止と適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため、一体的かつ総合的に市街地を整備することが適切であると認められるものについては、都市計画に沿道地区計画を定めることができるとされています。

この沿道地区計画は、令和年3月末現在で、4都市で50地区指定されています。

www.mlit.go.jp

届出様式は省令で定めているほか、自治体のホームページでも公表しているところが多いようですので各自治体のホームページを参照するようにしてみてください。

 

制限の内容については、各々の地区計画の地区整備計画にかかれているので、地区計画の計画書を確認するようにしてください。

 

4-1 沿道整備道路とは

沿道整備道路とは、都道府県知事が国土交通省大臣に協議し同意を得て指定するものです。

幹線道路(高速道路、都市計画道路)のうち、自動車日交通量が1万台を超える、若しくは、道路交通騒音(夜間は65デシベル、昼間は70デシベル)をある地域などの道路交通騒音により生じる障害の防止と沿道の適正な土地利用を図る必要がある場合に指定が行われます。

 

 

 

■まとめ

いかがでしたか?

重要事項説明の一つである『沿道整備法』についての説明でした。

沿道地区計画の指定が多くはないので、該当する取引を行うこと自体が少ないですが、該当する取引の場合には、丁寧に説明しましょう。

今後、調査した結果、もし売買の対象となる不動産が沿道地区計画に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「沿道整備法」の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要しなければなりません。

このような土地に関しては、土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に担当の部署に確認し法チェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。