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【重要事項説明】新都市基盤整備法第39・50・51条(新都市基盤整備事業に関係する土地の制限)|制度の概要と課題!?重要事項との関係、対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

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新都市基盤整備法は、人口集中の著しい大都市の周辺に新都市を建設することで、大都市における人口集中と宅地の需要に応じ、大都市圏の秩序ある発展に寄与することを目的としたもので、新都市基盤整備事業について定めたものです。

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売買の対象となる新都市基盤整備法によって整備された箇所に該当する場合には、重要事項説明が必要です。

宅建業法施行令第3条に規定され、調査した結果、売買の対象なる不動産が、地方拠点法に関して指定のある区域等に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要があります。

なんとなくわかっているようで、詳しく説明しようとすると理解できていないものです。

これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。

しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。

これが重要なのです。

内容を理解しておかないと、買主からの「ここで家が建てれるの!用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

この記事では、不動産取引における重要事項説明のうち新都市基盤整備法について解説しています

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法などの制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 その他法令に基づく重要事項説明事項とは?

法令としては、宅建業法第35条第1項第2号の部分となります。

宅建業法第35条(重要事項の説明等)第1項第二号(抜粋)]

宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

 

二 都市計画法建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

次に政令ですが、宅建業法施行令第3条となります。次の項では、この第3条について詳しく説明します。

 

都市計画法建築基準法制限一覧は、こちらの記事で解説しています。

ossan358.hatenablog.com

 

1-2 都市計画法建築基準法以外のその他の法令に基づく制限

施行令第3条ですが、第1項が「宅地又は建物の貸借の契約以外の契約(売買)」について、第2項が「宅地の貸借の契約」について、第3項が「建物の貸借の契約」について規定されています。

大半が対象外となりますが、この内容を覚えておくことで、少しは重要事項説明漏れを防ぐことができると考えられます。

それでは、この記事ではその他の法令に基づく制限のうち『新都市基盤整備法』について解説していきます。

 

 

 

2 新都市基盤整備法とは

新都市基盤整備法は、人口集中の著しい大都市の周辺に新都市を建設することで、大都市における人口集中と宅地の需要に応じ、大都市圏の秩序ある発展に寄与することを目的としたもので、新都市基盤整備事業についてさだめたものです規定しています。

新都市基盤整備事業は、施行区域内の土地から一定割合の土地を買収した後、土地区画整理事業と同じ換地方式による土地整理で、道路・鉄道・公園・下水道などの根幹的な公共施設及び開発誘導地区に充てるべき土地を整備することにより新都市の基盤を整備します。

開発誘導地区には、市街地開発の中核地区として、住宅・教育・医療・官公庁・商業施設などを建設します。

新都市基盤整備事業は、都市開発事業として地方公共団体などが施行します。

土地の買収と土地区画整理の手法を組み合わせている点がポイントで、新住宅市街地法の新住宅市街地開発事業と異なります。

公共施設を建設すべき共同利便施設用地には、所定の建築物を2年以内に建築しなければなりません。また、開発誘導地区については、換地処分後10年以内に売却する場合には、都道府県知事の承認を受けなければなりません。これは不動産の転売益を阻止するためのものです。

 

 

 

3 重要事項説明の対象

【新都市基盤整備事業に関係する土地の制限行為】

□土地整理における仮換地の指定

新都市基盤整備法第39条において準用する土地区画整理法第99条1・3項)

新都市基盤整備事業に係る土地整理における仮換地が指定された場合には、従前の宅地について所有権や賃借権等を有していた者は、仮換地指定の効力の生じた日から換地処分の公告の日まで、仮換地について従前の宅地に存する権利と同じ内容の使用収益権を取得する代わりに、従前の宅地に存した使用収益権を行使することができません。また、仮換地の所有権や賃借権者等は、その仮換地指定の効力発生の日から換地処分の公告の日まで、仮換地に存した使用収益権を行使することができません。

 

新都市基盤整備法第39条において準用する土地区画整理法第100条2項)

新都市基盤整備事業を施行する者が、工事のため必要があるときは、換地計画において換地を取得または利用しないこととされる所有者や賃借権者等に対して、その宅地の使用収益の権能を期日を定めて停止することができます。

 

□建築物の建築義務

新都市基盤整備法第50条)

新都市基盤整備事業の施行者や実施計画に基づき宅地を造成した者から、施行区域内の共同利便施設等を建築すべき土地を譲り受けた者は、その譲受けの日から2年以内に、所定の建築物を建築する義務を負います。

 

□開発誘導地区内の土地等に関する権利の処分の制限

新都市基盤整備法第51条1項)

換地処分があった旨の公告の日から10年間は、開発誘導地区内の土地(工業団地造成事業が施行されるべき土地を除きます)またはその土地の上に建築された建築物に関する所有権、地上権、賃借権等の権利の設定または移転については、原則として、当事者は都道府県知事の承認を受けなければなりません。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

重要事項説明の一つである『新都市基盤整備法第39・50・51条(新都市基盤整備事業に関係する土地の制限)』についての説明でした。

新都市基盤整備法は、1972(昭和47)年に制定されましたが、今のところ実際に計画・施行されていません。

新都市基盤整備事業が施行されると、大都市(三大都市圏)の人口増加が著しい地域において、人口増加に対処しようと新たに5万人程度以上の都市をつくろうとし、公共施設や交通施設、商業・医療といった施設の建築も計画されることとなります。

人口減少の時代の中で、これから新たな都市が建設される可能性は限りなく低いと考えらえられます。

しかしながら、今後、調査した結果、もし売買の対象となる不動産が新都市基盤整備法の事業地に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「新都市基盤整備法」の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要しなければなりません。

このような土地に関しては、土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、制限についても必ず伝える義務があります。

少しでも疑問がある場合は、事前に担当の部署に確認し法チェックをしておきましょう。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。