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【重要事項説明】建築基準法第56条(道路斜線制限)|用途地域と道路からの距離で容積率が制限で!?対象の地域とその理由!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

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こんかいは建築基準法第56条(道路斜線制限)についてです。

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道路斜線制限とは、上空(青空)に一定の空間を確保することを目的として、建築物の各部分の高さに制限する規定です。

これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。

しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。

これが重要なのです。

内容を理解しておかないと、買主からの「このような用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法の制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

1 建築基準法における重要事項説明事項とは?

重要事項説明では、宅建業法施行令第3条第1項第2号に掲げる内容を説明する必要があります。

宅建業法施行令第3条第1項第2号(重要事項説明:建築基準法

二 建築基準法第39条第2項、第43条、第43条の2、第44条第1項、第45条第1項、第47条、第48条第1項から第14項まで(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条の2(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第50条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項から第8項まで、第53条の2第1項から第3項まで、第54条第55条第1項から第3項まで、第56条、第56条の2、第57条の2第3項、第57条の4第1項、第57条の5、第58条、第59条第1項及び第2項、第59条の2第1項、第60条第1項及び第2項、第60条の2第1項、第2項、第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)及び第6項、第60条の2の2第1項から第3項まで及び第4項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第60条の3第1項、第2項及び第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第61条、第67条第1項及び第3項から第7項まで、第68条第1項から第4項まで、第68条の2第1項及び第5項(これらの規定を同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第68条の9、第75条、第75条の2第5項、第76条の3第5項、第86条第1項から第4項まで、第86条の2第1項から第3項まで並びに第86条の8第1項及び第3項

「エッ」と思うぐらい多いですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。

調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。

くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!

対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。

 

 

2 道路斜線制限(どうろしゃせんせいげん)とは?

道路斜線制限とは、道路側に面した建物部分の高さの制限のことで、建物と建物の間に空間を確保して、日照・採光・通風を確保するものです。

なお、建物の斜線制限には道路斜線制限以外にも隣地との境界線に制限される隣地斜線や敷地の北側に規定される北側斜線があります。道路斜線制限は、接している道路の幅員にもとづいて、道路側に面した建物部分の高さの制限を行います。

道路斜線制限を設けることで、この圧迫感を軽減し、適切な都市空間(空)を確保するものでして、道路の幅員や用途地域に応じて道路沿いに建築できる建築物の高さが異なります。

なんとなく理解頂けたかなと思いますが、この規定がないと建築物の密度が高い地域は日照や通風といった面で不衛生な市街地空間が形成される可能性がたかります。

道路斜線制限は、次の用途地域に制限がかかります。

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道路斜線制限は全ての地域で対象となっています。

 

 

3 道路斜線制限の考え方(概要)

道路斜線制限は建築基準法第56条に規定されており、基本的事項については同条第56条第1項第一号に規定されており、次のように記載されています。

建築基準法第56条第1項第一号(建築物の各部分の高さ)]

建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。

一 別表第3(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

ここで重要なのは『法別表第3』です。

道路斜線制限は、敷地の周囲にある道路から発生する架空の斜めの線による制限のことで、建物を建てるときは、高さがこれらの斜線を超えないようにしなければなりません。

具体には、敷地と接する道路の反対側の境界線までの距離の1.25倍または1.5倍以下(傾斜勾配)に建物の高さは制限されます。

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道路から一定距離(適応距離・適用距離)だけ離れたところからは制限がなくなります。

戸建やマンション、オフィスビルなど狭い道路に面する側の建物上部が切り取られたような形状になっている場合がありますが、道路斜線制限の範囲内で、高さや容積をできるだけ確保するように建築しているからです。

傾斜勾配と適用距離は、次の通りです。

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4 前面道路の境界線から後退(セットバック)した場合

前面道路の境界線から後退(セットバック)した建築物については、前面道路の反対側の境界線が後退距離と同じ距離だけ外側にあるものとして道路斜線制限を受けます。

この他にもあわせて確認して総合的に判断が必要な関連の制限(緩和)があります。

下記のリンクも確認しておいてください。

ossan358.hatenablog.com

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5 土地取引上の注意点

注意点①

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び田園住居地域の場合には、絶対高さ制限(建築基準法第55条)が都市計画により指定されています。

この3つの用途地域の土地取引の場合には、道路斜線制限とあわせて高さ制限が設けられることになりますので注意が必要です。

 

注意点②

道路斜線制限については、いくつかの緩和が細かく規定されており、土地の周囲の状況等や前面道路との接し方などにより異なります。

緩和例:

  • 建築物がセットバックした場合
  • 2以上の前面道路がある場合
  • 前面道路の反対側に公園、広場、水路などがある場合
  • 前面道路が地盤面よりも1m以上低い場合 など

 

 

6 まとめ

いかがでしたか?

土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、建築物への制限についても必ず伝える義務があります。

それをきちんと理解できていないまま販売してしまうと「そもそも建物が建てられないことが後から分かった」なんてことにも・・・。

道路斜線制限という道路側に面した建物部分の高さの制限があることを知っておきましょう。

少しでも疑問がある場合は、事前に建築確認の部署(機関)に確認し法チェックをしておきましょう。

一概にホームページのパンフレットだけでは読み解けない部分もあるため、きちんと窓口などで内容を確認することが必要です。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。