OSSAN358’s ブログ

OSSANの日々の雑記ブログです

【重要事項説明】建築基準法第53条の2第|敷地面積の最低限度がある場合!しっかり理解してがっちり土地利用。宅建・土地取引・投資のノウハウ!!

このブログは、まちづくりや都市計画、不動産の取引や投資に関して役立つ情報をつぶやくOSSAN(オッサン)のブログです。良かったらブックマークを活用いただき、業務や調べごとの時に活用してくれると励みになります。

こんかいは建築基準法第53条の2(建築物の敷地面積)についてです。

f:id:OSSAN358:20220330185108p:plain

ある地域では「建築物の敷地面積」に最低限度が定められており、建築物の敷地として最低限度以上を確保しないといけない場合があります。

これらを詳細に理解するには、経験と知識が必要です。

しかしながら、どのような規定があるのか概要を理解しておけば、そのような物件に巡り合ったときに気づきが生まれます。

これが重要なのです。

内容を理解しておかないと、買主からの「このような用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

不動産取引や建築設計において都市計画や建築基準法の制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

建築士試験、重要事項説明などにおいて必須の知識となりますので、こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

それでは、わかりやすくポイントを絞って解説します。

 

 

 

1 建築基準法における重要事項説明事項とは?

重要事項説明では、宅建業法施行令第3条第1項第2号に掲げる内容を説明する必要があります。

宅建業法施行令第3条第1項第2号(重要事項説明:建築基準法

二 建築基準法第39条第2項、第43条、第43条の2、第44条第1項、第45条第1項、第47条、第48条第1項から第14項まで(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条の2(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第50条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項から第8項まで、第53条の2第1項から第3項まで、第54条、第55条第1項から第3項まで、第56条、第56条の2、第57条の2第3項、第57条の4第1項、第57条の5、第58条、第59条第1項及び第2項、第59条の2第1項、第60条第1項及び第2項、第60条の2第1項、第2項、第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)及び第6項、第60条の2の2第1項から第3項まで及び第4項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第60条の3第1項、第2項及び第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第61条、第67条第1項及び第3項から第7項まで、第68条第1項から第4項まで、第68条の2第1項及び第5項(これらの規定を同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第68条の9、第75条、第75条の2第5項、第76条の3第5項、第86条第1項から第4項まで、第86条の2第1項から第3項まで並びに第86条の8第1項及び第3項

「エッ」と思うぐらい多いですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。

調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。

くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!

対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。

 

 

 

2 敷地面積に関する運用(都市計画で定めて建築基準法で運用)

第五十三条の二(建築物の敷地面積)

建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の敷地については、この限りでない。

一 前条第六項第一号に掲げる建築物

二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの

三 その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であつて、特定行政庁が市街地の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの

四 特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの

2 前項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度を定める場合においては、その最低限度は、二百平方メートルを超えてはならない

3 第一項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められ、又は変更された際、現に建築物の敷地として使用されている土地で同項の規定に適合しないもの又は現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合においては、同項の規定は、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当する土地については、この限りでない。

一 第一項の都市計画における建築物の敷地面積の最低限度が変更された際、建築物の敷地面積の最低限度に関する従前の制限に違反していた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該制限に違反することとなつた土地

二 第一項の規定に適合するに至つた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合するに至つた土地

4 第四十四条第二項の規定は、第一項第三号又は第四号の規定による許可をする場合に準用する。

 

条文のとおり、「敷地面積の最低限度」は都市計画で定めますが、実際の建築における適合性の確認は建築基準法で運用します。

都市計画で定めるのは区域と最低限度(〇〇㎡)のみで、都市計画が指定された地域で建築基準法が適用されることになります。

一般的には、良好な住宅環境を確保するため、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域などで指定されることが多いです。

また、法律では全ての建築物に適合されるわけではなく、一定の建築物や既存不適格建築物(最低限度が定められた以前は適合していた敷地が最低限度の指定により適合しなくなった敷地)についても緩和措置が設けられていることに留意が必要です。

 

 

 

3 敷地面積の最低限度を定める目的

敷地分割(分筆)によるミニ開発が進むと、小規模な敷地(土地)が増えて建物が密集することにより、日照・通風・防災面での環境悪化を防ぐために、敷地面積の最低限度(最低敷地面積)を都市計画で定めます。

空き家・空き地の管理をはじめました!! 生田 多摩ハウジング

そのため、余裕のもった住宅街を形成して良質な住宅街の形成を図るために「敷地面積の最低限度」を定めます。

なお、法律では、最低限度は200㎡を超えてはならないとされています。一般的には、150〜200㎡の範囲で指定されています。

ちなみに、最低限度は200㎡を超えてはならないとする規定は、都市計画でなく建築基準法において規定されています。不思議ですね。

最低敷地面積の限度のみが単独で指定されることはなく、この最低限度に合わせて、外壁後退や絶対高さ制限、低い建蔽率、北側斜線制限などが制限されることでより良好な住環境の確保に効果があります。

また、別途地区計画とあわせて、かき又は柵の制限のような、通風等を阻害する構造物の設置を禁止している地区もあります。

 

 

 

4 最低敷地面積がない場合(既存不適格の取り扱い)

最低限度の数値は200㎡を上限として、超えない範囲で定められます。この制限により、敷地面積が最低限度以下の土地では、建築確認がおりないため、建物の建築ができません。

ただし、この制限は、新たに土地を分割して建物を建てる場合にのみ適用され、自治体によって最低限度が定められた時期より前から下回っていた面積の土地は、建物の新築や建て替え(再建築)が可能です。

そのため、調査の際は、最低敷地面積はあるのかないのか、ある場合は敷地面積と分筆時期を必ず確認しましょう。

もし、規制導入後に、最低敷地面積未満に分筆していることが判明した場合は次の点を確認します。

・既にある既存建物がなぜ建築できたのか

・再建築するにあたって、建築許可は出るのか

この場合、違反建築にあたる可能性があり、再建築の可否はおろか不動産の価値も大きく下がってしまいます。

ちなみに、この法の施行日は、平成5年6月25日です。

厳密には、各都市ごとに新用途地域に移行した年月日が異なるので、それぞれの都市計画決定(変更)日によることになります。

 

 

 

5 調査の方法

「最低敷地面積は?」と「最低敷地面積の規制導入時期は?」について各自治体の都市計画課などで確認します。

建築確認済証と検査済証で確認します。

また、現在の敷地面積及び敷地分割(分筆)や建築した時期を、土地の登記簿謄本や登記事項証明書(建物及び土地)で確認します。

注意点ですが、各都市(地域)ごとに都市計画により最低敷地限度が定められた時期はことなっています。

既存不適格となるかどうの確認については、用途地域の変遷を追うしかありませんので、各都市の都市計画や建築指導の担当者に確認してみましょう。

役所に相談に伺う際は、必ず『いつ建築されたものかどうか、そのときの土地の面積が分かる書類』を持っていくようにしてください。役所に相談した上で、建築確認申請前に必要な手続きを行うこととなります。

 

 

 

6 まとめ

いかがでしたか?

土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、建築物の敷地面積についても必ず伝える義務があります。

それをきちんと理解できていないまま販売してしまうと「そもそも建物が建てられないことが後から分かった」なんてことにも・・・。

少しでも疑問がある場合は、事前に建築確認の部署(機関)に確認し法チェックをしておきましょう。

一概にホームページのパンフレットだけでは読み解けない部分もあるため、きちんと窓口などで内容を確認することが必要です。

不動産の取引・設計や投資の際には、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。