OSSAN358’s ブログ

OSSANの日々の雑記ブログです

【重要事項説明】土地利用規制の基礎ルール!最新版の用途地域一覧と第一種低層住居専用地域の建築制限についてわかりやすく解説(シリーズ)

このブログは、まちづくりや都市計画、不動産の取引や投資に関して役立つ情報をつぶやくOSSAN(オッサン)のブログです。良かったらブックマークを活用いただき、業務や調べごとの時に活用してくれると励みになります。

 

こんかいはコチラ!!

 

土地利用における基礎ルールでもある用途地域についてです。

f:id:OSSAN358:20220209170033p:plain

用途地域については、都市計画法による指定と建築基準法による建築制限が関連して運用されます。

両方の内容を理解しておかないと、買主からの「このような用途や大きさの建築はできるの?」との質問に正確に答えることができません。

 

不動産取引において都市計画や建築基準法の制限を説明する際には正しい根拠とその内容を正確に買主に伝える必要があります。

街づくり|分譲住宅や新築一戸建て、土地を広島・福山・姫路エリアでご検討ならワウハウス

今回の記事では、シリーズ第1弾として、都市計画法で指定される「用途地域」とその中でも第一種低層住居専用地域における「建築制限」についてわかりやすく解説しています。

 

 

 

1 建築基準法における重要事項説明事項とは?

重要事項説明では、宅建業法施行令第3条第1項第2号に掲げる内容を説明する必要があります。

宅建業法施行令第3条第1項第2号(重要事項説明:建築基準法

二 建築基準法第39条第2項、第43条、第43条の2、第44条第1項、第45条第1項、第47条、第48条第1項から第14項まで(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条の2(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第50条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項から第8項まで、第53条の2第1項から第3項まで、第54条、第55条第1項から第3項まで、第56条、第56条の2、第57条の2第3項、第57条の4第1項、第57条の5、第58条、第59条第1項及び第2項、第59条の2第1項、第60条第1項及び第2項、第60条の2第1項、第2項、第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)及び第6項、第60条の2の2第1項から第3項まで及び第4項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第60条の3第1項、第2項及び第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第61条、第67条第1項及び第3項から第7項まで、第68条第1項から第4項まで、第68条の2第1項及び第5項(これらの規定を同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第68条の9、第75条、第75条の2第5項、第76条の3第5項、第86条第1項から第4項まで、第86条の2第1項から第3項まで並びに第86条の8第1項及び第3項

 

「エッ」と思うぐらい多いですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。

調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。

くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!

対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。

 

 

 

2 建築物別の用途制限一覧

用途地域は、都市計画法に基づき指定(都市計画決定)されることで建築基準法第48条が適用され、建築基準法に基づき建築物の用途の制限が適用されます。

現時点で、用途地域は13種類あり、住居系、商業系、工業系の3つに大きく分類されます。

f:id:OSSAN358:20220209164837p:plain

出典:国土交通省(H30.9)

この一覧表は、概要を抜粋されているもので、全ての内容を掲載しているものではないため、詳細は確認をする必要があります。

それでは、今回はこの中で『第一種低層住居専用地域』の建築制限について解説します。

 

 

 

3 『第一種低層住居専用地域』で建築することができる建築物

ここからは建築基準法第48条第1項(第一種低層住居専用地域)において、建築することができる建築物についてです。

 

3-1 第一種低層住居専用地域内で建築することができる建築物

建築基準法第48条第1項

第一種低層住居専用地域内においては、別表第2(い)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。

 

第一種低層住居専用地域(一低層)は、都市計画法第9条の規定により、「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」となっており、低層住宅により形成された閑静な住宅街を目指して地域してされています。

この地域では、絶対高さ制限(10・12m)、敷地の最低限度(最低敷地面積)、北側斜線制限(北側日影時間の制限)、外壁後退等の制限(日照・通風の確保から敷地境界線から1m・1.5mの外壁線の制限)など選択して定められています。

良好な住宅環境を保全していくことが可能な魅力的な宅地であるかわりに、大きく土地利用の制限がされているため、制限の内容を確認しておく必要があります。

 

3-2 建築することができる建築物

第一種低層住居専用地域は、建築することができる建築物を記載された限定列挙になっています。記載する用途以外に供することは出来ません!

よく質問にあがるのは、事務所(併用含む)、病院・診療所、コンビニなどですね!

それでは確認していきましょう!!

 

(第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物(抜粋))

■別表第2(い)項から

一号

 建築物の用途:住宅(一戸建ての住宅、長屋)

 床面積等の制限:床面積の制限なし  

 

二号  

 建築物の用途:兼用住宅 ※住宅以外の用途の規定(施行令第130条の3)、事務所、日用品の販売を主たる目的とする店鋪、食堂、サービス業を営む店舗等

 床面積等の制限:延べ面積の1/2以上を居住に供し、かつ、居住以外の用途を50㎡以下(行令第130条の3)

 

三号

 建築物の用途:共同住宅(マンション)、寄宿舎、下宿

 床面積等の制限:床面積の制限なし

 備考:下宿で旅館業法に該当する場合は、建築できない可能性有り

 

四号

 建築物の用途:学校(大学、高等専門学校専修学校及び各種学校を除く)、図書館等

 床面積等の制限:床面積の制限なし

 

五号

 建築物の用途:神社、寺院、教会等

 床面積等の制限:床面積の制限なし

 

六号

 建築物の用途:老人ホーム、保育所、福祉ホーム等

 床面積等の制限:床面積の制限なし

 

七号

 建築物の用途:公衆浴場(銭湯)(風俗営業施設を除く)

 床面積等の制限:床面積の制限なし

 

八号

 建築物の用途:診療所

 床面積等の制限:床面積の制限なし

 備考:医療法に規定する診療所

 

九号

 建築物の用途:公益上必要な建築物(郵便施設、自治体庁舎、老人福祉センター、公園内便所、停留所等)      

 床面積等の制限:郵便施設(500㎡以内)、自治体庁舎・老人福祉センター等(600㎡以内)

 備考:施行令第130条の4

 

十号

 建築物の用途:第一号から第十号の建築物に付属するもの(施行令第130条の5に規定する建築物を除く)

 床面積等の制限:

  ・自動車車庫は、床面積制限あり、2階以上は建築不可

  ・畜舎は15㎡以下まで

  ・危険物の貯蔵、処理は建築不可

 備考:施行令第130条の5

 

なお、平成30年改正の建築基準法第48条により、第一種低層住居専用地域内でもコンビニ等が建築制限の緩和が規定されています。

 

 

 

4 まとめ

いかがでしたか?

これまでの解説を読んでなぜ『第一種低層住居専用地域の建築制限』のについてわかりましたか?

良好な住宅環境を守ることができる地域ですが、用途などの制限が多く存在しています。

不動産の取引や建て替えの際などには、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。