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建築基準法第44条「道路内建築制限」についてです。
道路内に建築するように非常識なヤツはいないよ!そんなの当たり前じゃない?と考える方が多数だと思います。
ではなぜ法に規定されているのでしょうか?
不動産の取引や投資で該当する(する可能性がある)場合は、重要事項で説明が必要な事項になっています。
この記事では、その概要や説明する事項についてわかりやすく解説していきます。
1 建築基準法における重要事項説明事項とは?
重要事項説明では、宅建業法施行令第3条第1項第2号に掲げる内容を説明する必要があります。
宅建業法施行令第3条第1項第2号(重要事項説明:建築基準法)
二 建築基準法第39条第2項、第43条、第43条の2、第44条第1項、第45条第1項、第47条、第48条第1項から第14項まで(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第49条の2(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第50条(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項から第8項まで、第53条の2第1項から第3項まで、第54条、第55条第1項から第3項まで、第56条、第56条の2、第57条の2第3項、第57条の4第1項、第57条の5、第58条、第59条第1項及び第2項、第59条の2第1項、第60条第1項及び第2項、第60条の2第1項、第2項、第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)及び第6項、第60条の2の2第1項から第3項まで及び第4項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第60条の3第1項、第2項及び第3項(同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第61条、第67条第1項及び第3項から第7項まで、第68条第1項から第4項まで、第68条の2第1項及び第5項(これらの規定を同法第88条第2項において準用する場合を含む。)、第68条の9、第75条、第75条の2第5項、第76条の3第5項、第86条第1項から第4項まで、第86条の2第1項から第3項まで並びに第86条の8第1項及び第3項
「エッ」と思うぐらい多いですが、このうち都市計画や建築基準法に基づく指定や認可状況、条例などを調査し、該当する事項を説明することになります。
調査方法としては、都市計画課(法)や建築指導課(法)などを担当する窓口にて確認することとなります。
くれぐれも「どれが対象ですか?」などの尋ね方はやめましょう!
対象となる窓口にて確認して内容を理解し、説明が必要な事項を洗い出して整理するのが資格者の責務です。「役所がいったから。」では役割を果たしていません。
それでは建築基準法第44条「道路内建築制限」についての説明にいきましょう!
2 道路内建築制限制限とは?
建築基準法第44条第1項・第2項(道路内の建築制限)
第44条 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 地盤面下に設ける建築物
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
三 第43条第1項第2号の道路の上空又は路面下に設ける建築物のうち、当該道路に係る地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであつて特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
四 公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの
2 特定行政庁は、前項第四号の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。
建築基準法上の道路内では、建築物と擁壁(建築物の敷地を造成するための擁壁)を建築・築造してはならないと規定されています。
※建築物:建築基準法で規定する建築物
※擁壁:建築敷地造成のための擁壁であり、建築敷地以外の擁壁(単独の青空駐車場などは建築基準法上は擁壁築造可)
建築基準法でいう道路とは、建築基準法上の道路のことを指しています。
道路内建築制限(建築基準法第44条)の対象なる道路は限られています。
>>建築基準法上の道路に関する詳しい記事
一般的に道路の多くは公道(道路法上の道路)ですので、その公道上に建築を行うことは道路法でも厳しく制限されています。
次に例外許可についてです。
3 例外規定(ただし書き)
建築基準法第44条第1項の規定の但し書きにある、一号から四号に規定される建築物等については、道路内建築制限が適用されません。
基本的には公益性・公共性の性質がある建築物などが対象となっています。
道路内建築制限が適用されない建築物等
一 地盤面下に設ける建築物
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
三 第43条第1項第2号の道路の上空又は路面下に設ける建築物のうち、当該道路に係る地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであつて特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
四 公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの
〇地盤面下に設ける建築物(第一号)
地下街や地下駐車場、地下街
〇公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物(第二号)
公衆便所やバス停の上家など。
なお、建築審査会の同意を得た上で特定行政庁が許可が必要になります。
〇法第43条第1項第2号の道路の上空又は路面下に設ける建築物(第三号)
地区計画という都市計画決定(都市計画法第12条の11号:道路の上空又は路面下において建築物等の建築又は建設を行うための地区整備計画)された道路の上空・路面下に建築される建築物。
いわゆる立体道路制度などを活用した建築物です。
政令では、主要構造部(建築物の防火上重要)を耐火構造等が規定されており、建築にあたっては、特定行政庁の認定が必要です。
〇公共用歩廊その他政令で定める建築物(第四号)
商店街のアーケードや道路上空の渡り廊下、高架道路下、高速道路内の建築物など
なお、特定行政庁の許可が必要となる他、建築基準法第44条第2項の規定により、許可の前に建築審査会の同意が必要となります。
4 まとめ・最後に
いかがでしたか?
これまでの解説を読んでなぜ『道路内建築制限』の規定があるかわかありましたか?
正解は、2項道路においてセットバックする部分に建築物や擁壁を築造しないようにですね!!
建築確認時にセットバックして、所有権は個人のままの場合、後々、個人の所有地として建築物などを築造できないようになっています。
不動産の取引や建て替えの際などには、買主や施主の要望を十分に理解して、リスクを回避するためにも理解をしておく必要がありますね。