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【重要事項説明】河川だからと関係ないと考えると大間違い!|重説で説明が必要な河川法についてわかりやすく解説!!

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こんかいはコチラ!!

宅建業法では、宅建業法施行令第3条第1項第19号に重要事項説明が規定されている、河川法についてです。

河川なので宅地の取引には関係がないと考える方も多いようですが、河川法の区域は宅地側にも広がっており、更に重説の対象事項が多いため河川が近くにある物件の取引や投資の際には注意が必要です。

この記事では、重要事項説明において何が対象となるのか、概要についてわかりやすく解説していきます。

 

 

 

1 重要事項説明

重要事項の説明については、宅建業法の第35条に規定されており、河川法については第1項だ2号の対象になります。

宅建業法第35条(重要事項の説明等):抜粋

宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

二 都市計画法建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

また、河川法のなかで重要事項の説明対象については、宅建業法施行令第3条第1項第19号にて規定があります。

 

(法第三十五条第一項第二号の法令に基づく制限)

第三条 法第三十五条第一項第二号の法令に基づく制限で政令で定めるものは、宅地又は建物の貸借の契約以外の契約については、次に掲げる法律の規定(これらの規定に基づく命令及び条例の規定を含む。)に基づく制限で当該宅地又は建物に係るもの及び都市計画法施行法(昭和四十三年法律第百一号)第三十八条第三項の規定により、なお従前の例によるものとされる緑地地域内における建築物又は土地に関する工事若しくは権利に関する制限(同法第二十六条及び第二十八条の規定により同法第三十八条第三項の規定の例によるものとされるものを含む。)で当該宅地又は建物に係るものとする。

 

宅建業法施行令第3条第1項第19号(重要事項説明:河川法)では、河川法第26条第1項、第27条第1項、第55条第1項、第57条第1項、第58条の4第1項及び第58条の6第1項(これらの規定を同法第100条第1項において準用する場合を含む。)が重要事項の説明が必要な対象事項となっています。

それでは、各々の概要をみていきます。

 

 

 

2 河川法における各説明対象事項の概要

2-1 工作物の新築等の許可(第26条第1項)

河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない。

河川区域内の確認を行い、土地が河川区域内である場合には、河川法第26条第1項の規定の説明が必要です。河川区域は、一級河川国土交通省各地方整備局出先事務所、二級河川都道府県、一級・二級以外は市町村に確認しましょう。

 

2-2 土地の掘削等の許可(第27条第1項)

河川区域内の土地において土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為(法第26条第1項行為を除く。)又は竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない。

河川区域内の確認を行い、土地が河川区域内である場合には、河川法第27条第1項の規定の説明が必要です。

 

2-3 河川保全区域の行為の制限(第55条第1項)

河川保全区域内において、掘削・盛土・切土・土地の形状を変更する行為や工作物の新築改築を行う行為を行う場合には、河川管理者の許可を受けなければならない。

ただし、耕うん、3メートル以内の盛土、深さ1m以内の土地の掘削・切土、工作物(RC造、石造、れんが造等の堅固なもの及び貯水池、水槽そう、井戸、水路等水が浸透するおそれのあるものを除く。)の新築又は改築は許可不要となります。

河川保全区域内(河川区域に隣接する一定の区域)の確認を行い、取引を行う土地が河川保全区域内である場合には、法第55条第1項の規定の説明が必要です。

 

2-4 河川予定地の行為の制限(第57条第1項)

河川予定地において、掘削・盛土・切土・土地の形状を変更する行為や工作物の新築改築を行う行為を行う場合には、河川管理者の許可を受けなければならない。

ただし、耕うん、地表から深さ1.5m以内の土地の掘削・切土は許可不要となります。

河川予定地(河川工事を施行するため必要があると認める区域)の確認を行い、取引を行う土地が河川予定地である場合には、法第57条第1項の規定の説明が必要です。

 

2-5 河川保全立体区域の行為の制限(第58条の4第1項)

河川保全立体区域内において、掘削・盛土・切土・土地の形状を変更する行為や工作物の新築改築、載荷重が1m3・2ton重量以上の土石その他の物件の集積を行う行為を行う場合には、河川管理者の許可を受けなければならない。

ただし、耕うん、1m3・2ton未満(高さ1m以内の盛土、深さ1m以内の地下における工作物の新築又は改築、土石その他の物件の集積、深さ1.5m以内の土地の掘削又は切土、深さ1m以内の地下における工作物の除却)は許可不要となります。

河川保全立地区域(法第58条の2の河川立体区域の一定の範囲の地下又は空間)の確認を行い、取引を行う土地・施設が河川保全立体区域である場合には、法第58条の4第1項の規定の説明が必要です。

 

2-6 河川予定立体区域の行為の制限(第58条の6第1項)

河川予定立体区域において、掘削・盛土・切土・土地の形状を変更する行為や工作物の新築改築を行う行為を行う場合には、河川管理者の許可を受けなければならない。

ただし、耕うん、地表から深さ1.5m以内の土地の掘削・切土は許可不要となります。

河川予定立体区域(河川工事の施行により新たに河川立体区域として指定すべき地下又は空間を河川予定立体区域)の確認を行い、取引を行う土地が河川予定立体区域である場合には、法第58条の6第1項の規定の説明が必要です。

 

 

 

3 まとめ

いかがでしたか?意外と対象事項が多いことにきづきましたか?

でも、まだ関係内容のイメージがある方は、この図をご覧ください。

河川法に関係のある区域が宅地側にも広がっているのです。要注意ですね!!

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河川法の指定は、不動産の価値や建築計画に大きく影響をあたえるものです。

買主の要望を十分に理解して、不動産の取引や投資のリスクを管理するためにも理解をしておく必要がありますね。