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【重要事項説明】都市再生特別地区とは?|まちづくりに重要な内容と制限を分かりやすく解説!

 

 

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こんかいはコチラ!!

都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として指定されている『都市再生特別地区』についてです。

令和3年9月1日時点で全国に、51地域、約9,305haが指定されています。

これから全国での指定も増えていく可能性もあり、不動産の取引や投資にも大きな影響がある可能性があります。

そんな時に困らないように、この記事では、重要事項説明における『都市再生特別地区』の内容などについて解説していきます。

制度の詳細な説明はコチラ>>

ossan358.hatenablog.com

 

 

 

1 都市再生特別地区とは?

都市再生特別措置法第36条第1項(都市再生特別地区)

都市再生緊急整備地域のうち、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域については、都市計画に、都市再生特別地区を定めることができる。

 

「都市再生特別地区」とは、都市再生特別措置法に規定されている都市計画です。

都市計画法では、地域地区の一つとして、都市計画法第8条第1項第4の2号に規定されています。

 

まず、都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として、政令都市再生緊急整備地域(都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域を定める政令)が指定されます。(51地域、約9,305ha:令和3年9月1日時点)が指定されています。

 

この都市再生緊急整備地域のうち”都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域”について、都市計画決定により都市再生特別地区の指定することが可能となっています。(104地区指定:令和3年4月1日時点)

 

都市再生特別地区内における建築を行う場合、既成の用途制限等が一部で適用されなくなるため、比較的自由度の高い事業計画を実施できます。

また、MINTO機構による金融支援を受けられるなどのメリットがあります。

 

 

 

2 制限の緩和

都市再生特別地区は、おもに指定容積率の上限値解除のほか、用途規制や斜線制限、日影規制等の制限を適用除外が可能となります。

都市再生特別地区で指定される容積率は、1000%を超える箇所もあるなど、通常の商業地域容積率とは異なります。

都市計画決定されると、具体的な制限については建築基準法に委ねられ、同法第60条の2に規定されています。

この建築基準法第60条の2についてが、不動産取引における重要事項説明の対象となっているのです。

都市再生特別地区については、事業計画に基づき都市計画決定されるため、事業途中の段階で土地・建物の取引が発生することはないに等しいです。

 

 

 

3 建築基準法第60条の2(都市再生特別地区)

建築基準法第60条の2(都市再生特別地区)《抜粋:第1項、第2項、第3項、第6項》

都市再生特別地区内においては、建築物の容積率及び建蔽率、建築物の建築面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)並びに建築物の高さは、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。

一 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であつて、階数が2以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に移転し、又は除却することができるもの

二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの

三 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの

 

2 都市再生特別地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、前項各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。

 

3 都市再生特別地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供する建築物については、第48条から第49条の2までの規定は、適用しない。

4 〜 5 (略)

6 都市再生特別地区内の建築物については、第56条の2第1項に規定する対象区域外にある建築物とみなして、同条の規定を適用する。この場合における同条第四項の規定の適用については、同項中「対象区域内の土地」とあるのは、「対象区域(都市再生特別地区を除く。)内の土地」とする。

 

都市再生特別地区については、建築基準法第60条の2に規定されており、このうち重要事項説明については、第1から3項、第6項が対象です。

 

  • 第1項

都市再生特別地区の都市計画で定められる建築物の容積率建蔽率・建築面積・高さの制限に適合しなければならならない。

ただし、木造2階建ての簡易な建築物で移転が容易なものや公衆便所・学校・駅舎などの公益上必要な建築物(一部の建築物については特定行政庁の許可が必要)については適用除外。

 

  • 第2項

壁面の位置の制限の規定。

都市再生特別地区の都市計画において、壁面の位置の制限が適用された場合には、この制限に反してはならないと。ただし、第1項各号で定める簡易な建築物等については除外。

 

  • 第3項

用途地域(誘導用途)が都市再生特別地区に定められた場合には、用途地域・特別用途地区・特定用途制限地域については適用しない。

 

  • 第6項

日影規制に関する規定。

都市再生特別地区内の建築物については、「対象区域外にある建築物とみなして、同条の規定を適用」、「対象区域(都市再生特別地区を除く)内の土地」とあるように、日影規制は適用除外。

 

 

 

4 まとめ

「都市再生特別地区」については、都市計画決定がされているため、市区町村が公表している都市計画図や窓口での閲覧などで容易に確認できます。

だからといって詳細を理解せず判断するのは危険です。都市再生特別地区内の事業は比較的大きな事業となるからです。

事業の売買の相談を受けた場合でも、制限の内容は残っていますので、重要事項説明時に伝え忘れることが内容に注意しましょう