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【徹底解説】法律にもでてくる建築主事とは?特定行政庁と違います。|わかりやすく解説!

建築確認や設計、法チェックなどの打ち合わせを行っていると、よく『建築主事』と『特定行政庁』を混同している方がいます。

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業務全体には大きな影響はありませんが、理解しているクライアントからすれば「この人は理解していない?大丈夫?」とすぐにバレてしまいます。

『特定行政庁』に関する記事はコチラ〉〉

【徹底解説】法律にもでてくる特定行政庁とは?建築主事とは違います。|わかりやすく解説 - OSSAN358’s ブログ

このようなことにならないように、今回は「建築主事」について解説します。

 

 

 

1 建築主事とは?

建築主事とは、建築基準法第4条において規定されていて、

  • 第1項主事
  • 第2項主事
  • 第5項主事

という種類があります。

 

一般的には、

第1項主事は、人口25万人以上の市(政令で指定される市のみ)は必ず設置

第2項主事は、第1項で主事を置く市以外で主事を設置した市町村

第5項主事は、都道府県(第1項・第2項主事エリア以外を担当)

に区別されています。

 

(建築主事)

第四条 政令で指定する人口25万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第6条第1項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。

2 市町村(前項の市を除く。)は、その長の指揮監督の下に、第6条第1項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。

5 都道府県は、都道府県知事の指揮監督の下に、第1項又は第2項の規定によつて建築主事を置いた市町村(第97条の2を除き、以下「建築主事を置く市町村」という。)の区域外における建築物に係る第6条第1項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。

 

【ここはポイント!】

建築主事は、建築基準法第4条において、都道府県知事や市町村長の指揮監督の下に置かれると定められています。

しかしながら、建築主事の権限は、これらの指揮監督者から独立して行うこととなっており、自治体の長であっても、建築主事に代わっての権限執行や、建築主事の確認処分(確認済証の交付など)を取り消すことはできない規定になっています。

自治体の組織の一部と言えるものの、独立した権限を行使しているのです。

 

 

 

2 建築主事が行う事務

建築主事の代表的な業務が、【建築確認業務】です。

 

建築基準法第6条第1項において、建築主は建築物を建築する際には建築主事の確認を受けなければならないとされています。中間検査・完了検査も含みます。

 

この建築主事ですが、行政だけではなく民間にもいるのです。

今から約20年前に法令改正により建築確認業務は民間に開放されています。正式には指定確認検査機関とう名称になります。

法律でいうと建築基準法第6条の2になります。

よって、この規定の中で指定確認検査機関の確認でもよいのです。

現在では、審査期間が短いこと窓口に直接行かなくても受け付けてもらえるなどの理由から、民間(指定確認検査機関)の確認を受ける件数の方が多くなっています。

 

 

 

3 建築主事が行う主な業務のまとめ

  • 建築確認申請の受理・審査・確認済証の交付など(国、都道府県、建築主事を置く市町村からの計画通知)
  • 完了検査申請書の受理・検査・検査済証の交付など(国、都道府県、建築主事を置く市町村からの通知)      
  • 中間検査申請書の受理・検査・検査合格証の交付など(国、都道府県、建築主事を置く市町村からの特定工程にかかる通知)
  • 完了検査申請書(国等による工事完了通知)受理後の建築物の仮使用認定
  • 建築物、建築物の敷地の所有者、管理者、占有者、建築主、設計者、工事監理者、工事施工者、指定確認検査機関等に対して工事計画、施工状況、建築物の敷地、構造等に関する報告を求めること

 

 

4 建築主事(民間主事を含む)になるためには?

建築主事になるには、「建築基準適合判定資格者検定」に合格建築基準法第5条に規定)する必要があります。受験資格としては、一級建築士に合格した者で2年以上の実務経験政令第2条の3に規定)が必要です。

 

政令第2条の3を要約すると、

・建築審査会の委員として行う業務

・大学の学部等において教授又は准教授として建築に関する教育・研究等を行う業務

・建築確認審査・完了検査等を行う業務

となっていますので、行政(建築確認審査・完了検査等に従事)か指定確認検査機関にて実務を積む必要があります。

 

 

5 まとめ

建築主事が行う確認業務は、個別の案件に対し、柔軟に対応されているのが実情のようです。

建築基準法の法は解釈に幅があるため、柔軟に対応している様に見えるという表現の方が適切です。

ただ、独立した権限を有しているため、的確な判断と責任が求められます。問題が発生した場合は、重大な責任が発生する可能性もあるのです。

近頃、期間が短いため金額が多少高くても民間を活用する業者も多いようですが、それだけ業務管理ができていない業者である可能性あるため、あやしいと感じた場合は施主側として行政機関ので確認を求めるのも自己防衛策かもしれません。

>>参考記事

ossan358.hatenablog.com