OSSAN358’s ブログ

OSSANの日々の雑記ブログです

【徹底比較】似ているけど役割が違う|「都市計画区域マスタープラン」と「都市計画マスタープラン」の目的と役割!

表現に「区域」があるか、ないか、の違いですが実は目的と役割が違います。両方同じような名称ですよね!?この両者の違い、以外と分かっているようで・・・。

たまに混同して使っている方もいますが、頭の中でこの整理ができると都市計画について理解や説明ができるようになるかもしれません。

f:id:OSSAN358:20211115174538p:plain


この記事では、都市計画マスタープランと都市計画区域マスタープランの違いについてわかりやすく解説していきます。

都市計画マスタープランは、市町村(指定都市を除く)が作成し、都市計画区域マスタープランは都道府県(指定都市を含む)が作成します。

 

 

 

1 都市計画区域マスタープラン

都市計画区域マスタープランは、都市計画法第6条の2に規定されている、都道府県が定める政令指定都市内の区域は指定都市)ものです。

法的には、整備、開発及び保全の方針が名称で略して「整・開・保(せいかいほ)」とも呼ばれます。

 

都市計画法第6条の2

都市計画区域の整備、開発及び保全の方針)

都市計画区域については、都市計画に、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めるものとする。

2 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針には、第一号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第二号及び第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。

一 次条第一項に規定する区域区分の決定の有無及び当該区域区分を定めるときはその方針

二 都市計画の目標

三 第一号に掲げるもののほか、土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針

3 都市計画区域について定められる都市計画(第11条第1項後段の規定により都市計画区域外において定められる都市施設(以下「区域外都市施設」という。)に関するものを含む。)は、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即したものでなければならない。

 

この都市計画区域マスタープランには、以下の内容を定めることと規定されています。(二号と三号は努力義務)

 

一号区域区分(市街化区域と市街化調整区域の区分)の決定の有無、及び方針

二号都市計画の目標

三号土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針

 

複数の都市により都市圏が形成されている自治体では、かなり重要な規定となります。

都市計画をもつ一つの市町村が、勝手に区域区分を変えたら、他の市町村の都市生活に大きく影響します。

そのため、都道府県によるマスタープランもと広域的見地からの県が調整を図ることが、現在の主な役割です。

将来の人口や商工業の将来値をもとに、具合的な事業を記載するというよりも、方針を記載しているにとどまります。

 

簡単には、

都市計画区域マスタープランは、都道府県及び政令指定都市が策定する。

都市計画区域マスタープランは、都市計画区域内の複数市町村の計画を包含して、区域区分や都市計画の目標等を記載している。

 

 

 

2 市町村都市計画マスタープラン

都市計画マスタープランは、市町村において作成することから『市町村都市計画マスタープラン』といいます。

 

都市計画法では、都市計画法第18条の2(都市計画に関する基本的な方針)に規定されています。

市町村の都市計画の基本的な方針であり、これがマスタープランといわれると多少、違和感を感じる方もおおいかもしれません。

 

都市計画法第18条の2

(市町村の都市計画に関する基本的な方針)

市町村は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想並びに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めるものとする。

2 市町村は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

3 市町村は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に通知しなければならない。

4 市町村が定める都市計画は、基本方針に即したものでなければならない。

 

市町村は、「都市計画」に関する基本的な方針を定めることができ、都市計画道路、公園、下水道等の都市施設の整備や市街地再開発などをどのよう進めていくかなどを記載することができます。

同法第4項の規定により、市町村が定める都市計画は、この基本方針(マスタープラン)に即したものでなければなりません。

つまり、このマスタープランに書かれていない都市計画は、原則して行うことができないということ。

 

例えば、都市計画道路を整備するには、マスタープランに事業の記載がなければ、都市計画を決定することができません。

 

簡単には

都市計画マスタープランは、市町村が策定し、総合計画及び都市計画区域マスタープランに即する必要がある。

市町村が定める都市計画は、都市計画マスタープランに則しなければならない。

 

 

 

3 「都市計画区域マスタープラン」と「市町村都市計画マスタープラン」の関係

法令の中では、市町村都市計画マスタープラン(都市マス)は「都市計画区域の整備、開発および保全の方針」に即し、とあります。

更に、市町村都市計画マスタープランは、「市町村の建設に関する基本構想(総合計画:市町村の最上位計画)」に即する必要があります。

市町村の創意工夫でマスタープランが策定しても、区域マスに即しなければなりません。

これは、市町村マスタープランの上位に位置する区域マスタープランにおいて、同一都市計画区域内において複数の市町村がある場合に、それぞれの利害調整を図ることを目的にしているものです。

 

 

3 最後にもう一度まとめ

都市計画区域マスタープラン(都道府県決定)      

都市計画法第18条の2     

都市計画区域を構成する複数市町村を包含して作成する都市計画の方針(区域区分といって市街化区域と市街化調整区域の区分け:いわゆる線引き など)

 

●市町村都市計画マスタープラン(市町村決定)

都市計画法第6条の2

市町村が都市計画マスタープランや総合計画に即して策定する都市計画の基本的な方針

 

それぞれの役割としては、

①広域的見地からの都市計画が区域マス

②市町村の創意工夫により地域に密着したまちづくりを行うための指針が、都市マス

になります。

 

いかがでしたか。

「区域マス」「都市マス」のどちらのことを言っているのか、注意しておけば相手がどのレベルで話を進めているか理解ができると思います。

相手が間違って使っている場合もありますが・・・。