都市計画道路や都市計画施設をつくる場合には、必要な土地を買収などによって準備する必要があります。
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その時には、土地をもっている方から土地を譲ってもらい、建物がある場合は移転などをしてもらう必要があります。
こんにちは、OSSANです。
都市計画道路や都市施設の説明をしていく中で、
土地の買収や建物の移転補償をしないといけない場合はどうなるの?
との質問も多いようです。
「用地補償」について説明をするには、多くの内容があるので、ここでは前回に引き続き数回に分けて説明をします。
今回は第3回目!一応最終回。
用地補償については、個々で買収する土地や建物の条件や内容が異なります。ここで開設することが全てあてはまるものではありませんのご注意ください。
相談にくる担当者の説明をきちんと理解するようにしましょう。
では、第3回はいろんな質問についてです。
こらまで用地補償の詳細について説明してきました。
複雑な内容も多いですから、ここではよくお尋ねの多い項目について質問形式で記事にしています。
それでは、いってみましょう!
- Q1. 土地の価格はどのようにして決定するのですか?
- Q2. 建物の移転先は事業者が探してくれるのですか?
- Q3. 土地はすべて買い取ってくれますか?
- Q4. 土地に抵当権が設定されていますが、この場合はどうなりますか?
- Q5. 借地権のある土地の補償はどうなるのですか?
- Q6. 売渡す土地の登記は事業者でやってくれますか?私の土地は亡くなった父親の名義になっており、相続登記が済んでおりません。
- Q7. 買収地のうえに建物の一部または全部が存する場合はどのような補償になりますか?
- Q8. 補償金はどのように支払われるのですか?
- Q9. 賃貸住宅に住んでいる場合の補償はどうなるのですか?
- Q10. 土地を公共事業用地として提供した場合、税金はどうなりますか?
- Q11. 譲渡所得の課税の特例を受けるためのはどのような手続きが必要ですか?
- Q12. 土地代金や補償金が入った場合、国民健康保険料、所得税や住民税の扶養控除や年金の掛金はどうなりますか?
- Q13. 話し合いで解決しなかった場合はどうなるのですか?
- ■まとめ
Q1. 土地の価格はどのようにして決定するのですか?
A1. 事業に必要となる土地の価格は、周辺の土地の取引事例価格、公示価格、基準地価格、不動産鑑定評価書などを基にして適正に算定します。
Q2. 建物の移転先は事業者が探してくれるのですか?
A2. 移転先はそれぞれにご意向、ご事情などもありますので、基本的には建物所有者の方に移転先を確保するようお願いしています。なお、事業者も、情報提供を行う等のお手伝いをしております。
Q3. 土地はすべて買い取ってくれますか?
A3. 原則として、事業に必要な土地以外の取得は行っていません。
Q4. 土地に抵当権が設定されていますが、この場合はどうなりますか?
A4. 土地に抵当権等の権利が設定されている場合は、契約締結に先立ち土地所有者と抵当権者等が話し合っていただき、譲っていただく部分の権利を抹消していただくことになります。
Q5. 借地権のある土地の補償はどうなるのですか?
A5. 借地権等が存する場合、土地所有者と借地人との間で権利の割合について話し合っていただき、決定した割合あるいは金額に応じ、土地代金を分割して補償します。
Q6. 売渡す土地の登記は事業者でやってくれますか?私の土地は亡くなった父親の名義になっており、相続登記が済んでおりません。
A6. お譲りいただく土地の所有権移転登記は事業者が行います。
なお、相続登記がなされていない場合については、必要な書類(遺産分割協議書、特別受益証明書など)をお借りして、土地所有者に代わって登記します。
(ただし、事業に必要な土地に限られ、残地については登記は出来ません。)
Q7. 買収地のうえに建物の一部または全部が存する場合はどのような補償になりますか?
A7. 建物がある場合は、建物の配置・種類・構造・用途・敷地の形状などを考慮して、次のような移転の方法を決定して移転費用を算定し補償します。
曳家(ひきや)による方法
残地または隣接地に建物を移転する敷地が確保でき、かつ構造上可能な場合には、家を曳くための費用を補償をします。
改造による方法
建物の一部を切り取り、残地内に残った部分を増改築することにより、移転前の機能を維持できると認められる場合には、建物を改造する費用を補償します。
再築による方法
従前と同種同等の建物を移転先に建築することが合理的であると認められる時は、再築する費用の補償をします。なお、再築といっても現在価値の補償であって、新築の補償をするということではありません。
除却による方法
支障となる部分がわずかで、除却しても従前の機能にほとんど影響を与えない時、又は建物を再現する必要がないと認められる時は、建物の一部、又は全部の現在価値分及びそれを除却するための費用を補償します。
Q8. 補償金はどのように支払われるのですか?
A8. 補償金の支払いには、分割払い、一括払いの2つの方法があります。
一括払いは、事業者が土地の所有権移転登記を完了し、所有者が建物などを移転(更地)し、事業者に土地を引き渡した後にお支払いします。
分割払いは、土地の所有権移転登記に必要な書類を提出していただいた後、前金払いとして補償金をお支払いします。(抵当権等の担保物権が設定されている場合は、これらが抹消されたことを確認した後にお支払いすることになります。)
残金は、事業者が土地の所有権移転登記を完了し、所有者が建物などを移転(更地)し、事業者に土地を引き渡した後にお支払いします。
Q9. 賃貸住宅に住んでいる場合の補償はどうなるのですか?
A9. 賃借している建物が移転する事により、現在の家主と借家、借間契約を継続する事が著しく困難となる時は、引越に要する費用と、従来と同程度の建物や部屋を借りるために必要な費用を補償いたします。
Q10. 土地を公共事業用地として提供した場合、税金はどうなりますか?
A10. 公共事業に協力され、かつ一定の要件を満たした場合、税の負担が軽減されます。
但し、適用には条件がありますので、詳細は前回の記事を参考に。
※課税の特例を受けるための適用条件が定められていますので、詳しくは最寄りの税務署にご相談ください。
Q11. 譲渡所得の課税の特例を受けるためのはどのような手続きが必要ですか?
A11. 租税特別措置法の課税の特例の適用を受けるには、確定申告時に事業者が発行する書類を添付して、納税地の所轄税務署に確定申告する必要があります。
なお、発行する書類は、「買取り等の申し出証明書」及び「買取り等の証明書」並びに「収用証明書(土地売買代金に対する証明書)」となっております。
また、課税の特例については補償金の全部が対象になるとは限りません。補償項目、内容によっては特例措置がなされず課税対象になりますので、詳しくは所轄税務署の資産税部門にご相談下さい。
Q12. 土地代金や補償金が入った場合、国民健康保険料、所得税や住民税の扶養控除や年金の掛金はどうなりますか?
A12. 国民健康保険料は、前年の所得を基礎に算出されますので、保険料が増額となる場合があります。
また、補償金が支払われた時は、一時所得となりますので、所得税や住民税の扶養控除が不要の対象と見なされなかったり、税金や年金の掛け金の増額、年金の支給額の減額や停止等の影響を受けることがあります。
なお、詳しくは、市町村の窓口で相談し、確認してください。
Q13. 話し合いで解決しなかった場合はどうなるのですか?
A13. 公共事業に必要となる用地は、みなさんとの話し合いにより理解をいただき取得することを基本としています。
しかしながら、どうしても話し合いで解決できない場合においては、土地収用法の手続きによって収用委員会の公正な判断を得て、用地を取得することとなります。
※収用委員会は、土地収用法に基づき各都道府県知事の所轄のもとに設置されている機関で、被補償者と公共事業者の間に立って、公平・中立の立場で、補償金額などについて判断を行います。
■まとめ
いかがでしたか?この用地補償シリーズ。
少しでも公共事業で土地や建物が収容される可能性がある方の助けになればと記事にしてみました。
くれぐれも個人での判断は危険ですので、わからない箇所等は担当者にきちんと確認して納得するようにしましょう。
このシリーズやそれ以外でも記事にしてほしい内容や質問があれば追加していきますのでコメントもよろしくお願いします。
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