OSSANは、土木系の職場に勤めておりまして、今日、職場のお客さんと同僚の会話で、
客:ここは2間(けん)の幅があると父から聞いていた。
同僚:だいたい3.6mくらいですかね?
客:きちんと測ってくれないと困るよ!
同僚:・・・(いつの話しだよ。いまはそんな単位使わないよ、困ったな)
のようなやり取りがありました。
でも、建築の現場ではよく聞く単位ですが、どうなっているの?
実は次のような事実があるようです。
最後まで読んでくれると少しはわかると思います。
間(けん)は、尺貫法で使う長さの単位です。
日本では計量法により取引・証明に用いることは禁止されています。
本来、建物の柱の間隔を1間とする、長さそのものではない単位だった(現在でも俗に和室の寸法などで使われる)のですが、日本では農地の測量に使われるようになり、ある長さを1間とする長さの単位となりました。
1 近代
1891年(明治24年)の度量衡法で1間=6尺と定義されました。
同時に1尺=(10/33)メートル法で定められたので、1間は約1.818 1818メートルにまります。ちなみに、1間×1間が1坪となります。
計量法の導入に伴い、1958年12月31日限り(土地と建物については延長された。)で公式に使用する単位としては廃止されました。
2 歴史
間は元来、建物の柱と柱の間、すなわち柱間のことであり、長さの単位ではありません。
同一の建物内であっても柱間の寸法は必ずしも一定ではなく、たとえば古代の寺社などでは中央部の間が大きく、両端部では狭くなっていることも珍しくないのです。
ところが、日本では次第に租税計算を目的とした土地の測量時に間が単位として用いられるようになり、その長さはときの権力者によって決められました。
たとえば、織田信長は6尺5寸、豊臣秀吉は太閤検地で1間を6尺3寸とし、江戸時代には6尺1分(6.01尺)とされたが、実際に使用される値は時代や地域によって異なっていたようです。
明治時代になると、メートル条約への加盟を受けて1間=6尺と度量衡法で定められました。
3 家屋設計の「間」
今でも家屋の設計の際に用いられる「間」には、東日本を中心として使われる江戸間(田舎間)と、西日本を中心として使われる京間(本間)などがあります。
江戸間 - 1間=6尺。畳の大きさは5尺8寸×2尺9寸
京間 - 1間=6尺5寸。畳の大きさは6尺3寸×3尺1寸5分
のようにです。
4 まとめ
このように『間』という単位は、正式には存在していないもので、歴史や地域の中でその長さが異なっています。
土地の境界のような長さを特定するときには使用できません。
ちなみに長さの換算表はこんな感じになっています。